市が再撤去作業開始/不法投棄ごみ残存問題
今月中の完了目指す/費用は受注業者が負担
不法投棄ごみ残存問題で、城辺保良地区などの崖下3カ所の再撤去作業が14日、東平安名崎近くの崖下を皮切りに始まった。市の担当職員が見守る中、業者が不法投棄防止目的に設置された現場の金網を撤去したほか、本格的な崖下ごみの撤去作業に向けて重機を使って整地作業などを行った。3カ所のうち今回の現場と元ロラン局隣の崖下について、宮古島市は今月中をめどに再撤去を完了させたいとしている。
今回の再撤去作業は、市と2014年度に市発注の撤去事業を受注した業者が、残存ごみの撤去について、協議書で合意したことを受けて行われた。撤去費用は業者負担。
この崖下3カ所は、市が単費約2300万円を計上して実施し、事業完了後の昨年4月に下地敏彦市長自ら「不法投棄ゼロ宣言」をしたにもかかわらず、いまだに大量のごみが残存している。
問題発覚後、県の求めを受けて市が実施した現場調査によると、3カ所に残る残存ごみの量は、保良の東平安名崎近くの崖下が28・9㌧、保良の元ロラン局隣の崖下が14・7㌧。最も多かったのが友利崖下の70・8㌧で合計は114・4㌧。
最も残存量の多い友利崖下については、市議会野党連絡会や市民団体からの要請を受けて市が予算措置し、2月に県環境科学センターに実施した土壌調査で、ごみの性質が「産業廃棄物」と指摘されたほか、「鉛」が基準値を上回った。
友利崖下の再撤去に向けては再調査が必要な状況となっており、市では追加の土壌調査を予定している。
今回、作業がスタートした現場と元ロラン局隣の崖下については、友利のような土壌調査を実施しないままでの再撤去となっている。
これについて、市議の亀濱玲子氏は「本来、不法投棄ごみを撤去する際には安全性の観点からもごみの性質調査が必要。調査を実施した友利は『鉛』が基準値を超えており、ごみの性質は『産業廃棄物』となっている。そうした調査がないままで友利以外の2カ所が再撤去されるのは疑問でしかない」と指摘した。
今回の再撤去開始と土壌調査の有無について、市環境衛生課の川平陽一課長は「友利を除く二カ所については、今月中の完了を目指しているが現場のごみの量や天候次第なので、どれくらい時間がかかるかまだわからない。友利以外の2カ所については土壌調査はしていないが、この2カ所は友利の現場と状況が全然違う」と述べた。