熊本地震、修学旅行に影響/中学校校長会
臨時会議で状況確認/コース、時期変更など検討
熊本地震が宮古地区の各中学校の修学旅行にも大きな影響を及ぼしている。20日行われた宮古地区中学校校長会(宮国敏弘会長)の臨時会議では、「熊本地震に係る『九州修学旅行』の実施について」を議題に協議。復旧のめどが立たない熊本市内や阿蘇地区をコースから外した場合や、行き先を四国、関西などに変更した際の課題などについての説明が行われたが、参加した各校の校長は今後の難しい判断に苦慮していた。
安全面については、最大限配慮することを確認する一方で、行き先や実施時期を変更した場合は、予算面、航空チケット、宿泊施設やバスの確保など課題が多く、各校の校長とも今後、保護者を含めた協議を行い、方針を決定するとしている。
最も早い日程は、5月17日の鏡原中と上野中。鏡原中の宮城克則校長は「まだ決定ではないが、延期して11月後半か12月に実施したい。個人的にも保護者の立場からも熊本をコースから外しても不安だと思う。安全を確認してからが良いと思うが保護者とも相談したい」と述べた。
上野中の伊志嶺吉作校長は「現段階では日程通りの予定。熊本以外は通常通りなので、熊本を外したコースについては旅行業者と調整したい。実施する予定だが保護者から延期を求める声が多ければ検討したい」と話した。
両校以外は、伊良部中が5月24日を予定し、それ以外は9~12月の間となっている。
県教育事務所、市教育委員会側からは、行き先の変更については学校側に裁量があるとし、費用については市から1人6万円の予算で、それをオーバーする分については保護者負担となることが説明された。
しかし、この6万円の予算については、行き先が九州を前提にしていることから、今回のような状況を配慮した特別な措置があるかについては「現段階では分からない」としている。
行き先を関西方面や山口、岡山方面に変更した際には、旅費が増えるほか、春と秋は本土の中学校と高校の修学旅行シーズンとなり、すでに宿泊施設が押さえられてるほか、移動のバスなどの確保にも課題があることなどが旅行業者側から説明された。
また、予算内で収めるために、「3泊4日」の日程を1日減らして「2泊3日」にすることなども案として示された。
各校長からは「日程を減らしたら、ばたばたするだけで中身が無くなる」「保護者の負担が増えることは難しいと思う」などの声が聞かれた。