県議選 告示まで1カ月
三つどもえで選挙戦へ/市長選見据え複雑様相
任期満了に伴う県議会議員選挙(5月27日告示、6月5日投開票)宮古島市区(定数2)の告示まであと1カ月となった。保守系は現職の座喜味一幸氏(66)=自民公認=と、元市議の嘉手納学氏(50)の2人が出馬を表明。さらに、翁長雄志県政を支える「オール沖縄」を掲げて現職市議の亀濱玲子氏(62)=社民、社大推薦=が出馬を表明している。前回が無投票選挙で、今回は8年ぶりに市民の審判を問うことになるが、その間の政局や来年の市長選に向けた思惑も絡み合い、複雑な様相を呈している
8年前の選挙では、座喜味氏が1万330票でトップ当選。奥平一夫氏は9845票で2番目に滑り込んだ。「民主」や「そうぞう」などが推薦した坂井民二氏は8475票で敗れている。
また、2013年に行われた市議会議員選挙では、下地敏彦市政を支える与党が2人増の17人。野党系は3議席減らして現在はわずか3人となっている。
一方で、21世紀新風会が5人全員当選し、國仲昌二氏を含めて中立系は6人となった。
分裂選挙となる保守系だが、選挙後の「しこり回避」を目的に、両候補者に市議を振り分ける戦術で選挙戦に挑むとしている。
保守系の振り分けでは、座喜味氏側に市議7人、嘉手納氏には市議8人が付くほか、下地敏彦市長は座喜味氏側、長濱政治副市長は嘉手納氏側で選挙戦を展開する。
また、市議会会派「宮古会」の仲間賴信氏と粟国恒広氏は座喜味氏支持となり全体で9人となった。
一方の「オール沖縄」を掲げる亀濱氏には、野党市議2人と國仲昌二氏を含めた3人が支持する構図となっている。
保守系の振り分け選挙については、一部の市議から不満の声も聞かれている一方で、ある市議は「以前に比べ野党の支持層が弱体化しているので現在の情勢では2議席も十分に取れる」との声も聞かれている。
亀濱氏は、現職の奥平氏との一本化調整が難航したが、最終的には翁長知事サイドの調整が入り、奥平氏の勇退が決まり何とか分裂は回避できた。しかし、盤石の体制とまではなっていないようだ。
関係者は「8年前に奥平氏が取った9800票が現在も革新票としてあるかどうかは微妙。厳しい選挙になると思うが、何とか分裂を回避できたのでこれからが勝負になる」と話した。
そのほか、座喜味、嘉手納の両氏から推薦依頼を受けている21世紀新風会は、2人のうち会派理念に最も近い人物を支持するとして現在調整を進めている。
三つどもえの公算となっている中、今後は、出馬を表明した3氏が掲げる政策と、何を焦点として選挙戦を展開するかが注目となっている。