紫イモの販売戦略展開へ/コーラル社
市に生産強化の協力要望
農産物の加工、販売などを行うコーラル・ベジタブル(下地川満)の安慶名浩社長は27日、市役所平良庁舎に下地敏彦市長を訪ね、国内外の各メーカーに紫イモの販売戦略を展開する計画を伝え、原料の安定確保に向けた生産組合の強化に協力を求めた。安慶名社長は「紫イモは宮古島市のブランドとして確立しつつある。島の農産物として有望」と話した。
同社によると、紫イモは昨年は年間120㌧を購入し、ペーストにしたが原料不足という。県外からも需要があるが対応仕切れない状況。こういった需要に応えるには、これまでの約2倍の原料が必要という。
このため、現在31農家で構成する生産組合の組織を強化し、原料の安定確保と安定供給に向けた取り組みを進める必要があると強調した。
安慶名社長は「さらに伸ばしていくには、行政とタッグを組み本格的な基幹作物として取り組んでいきたい」と述べ、アロエベラと紫イモを2枚看板に、マンゴーの加工を加えた経営戦略で売上目標を達成していきたい考えを示した。
これに対し市は、サトウキビとの輪作を提案。農政課の福里匡課長は「キビの面積を減少させずに、収穫後の農地を活用して生産を増やしていければ」と話した。
市ではさらに福里課長は、県外出荷に掛かる輸送費を補助する農林水産物条件不利性解消事業に甘藷(かんしょ)は対象となっているものの、ペーストにすると除外されることを指摘。下地市長は、条件整備へ向け県に働き掛けていく考えを示した。
安慶名社長は「生産組合とは月1回のミーティングで、現在や将来的な状況を話し合っている」としながらも、組織的や安定的な運営には事務局体制の確立が必要だとして市の協力を求め、「踏み込んで取り組めばこの事業は大きくなる」と話した。
市では2012年8月に「宮古島市いも生産販売組合」が設立されたものの、生産計画の不備などで1年後に事務局が終了した経緯がある。
下地市長は「もう一度、仕切り直しが必要だ」と語った。