子どもの貧困対策に連携/県と市町村
基金創設、全県的に推進/沖縄振興拡大会議で確認
【那覇支社】県と市町村が沖縄振興や行政課題などを討議する2016年度沖縄振興拡大会議が28日、那覇市の自治会館で開かれ、子どもの貧困対策を効果的に推進する施策に県と市町村が連携して取り組むことを確認した。
拡大会議は県や県市長会、県町村会、県市議会議長会、県町村議会議長会の5団体共催。翁長雄志知事は「今回は子どもの貧困対策を統一議題にして、県と市町村が意見を出し合い、有意義な議論ができるよう期待したい」とあいさつした。
県は15年度に「県子どもの貧困対策計画」を策定し、抜本的な対策に取り組んでおり、地域の実情に即した子どもの貧困対策を全県的に推進するため、「県子どもの貧困対策推進基金(30億円)」を創設。県や市町村が実施する関連事業に活用する。
子どもの貧困対策では、乳幼児期や小・中学生期、高校生期、支援を必要とする若者、保護者に向けた教育・生活・経済・就労・住宅の支援に取り組むとしている。当面の重点施策として▽子育て世代包括支援センターの設置促進▽生活困窮世帯への学習支援▽子どもの居場所を確保し食事を提供する市町村支援▽高校中途退学防止への対策防止▽若年無業者への基礎的職業訓練の実施▽ハローワーク・福祉事務所の就職困難者、生活困窮者へのチーム支援-などを推進する方針を示した。
また、県では幅広い機関・団体に参加を呼び掛けて、「子どもの貧困解消県民会議(仮称)」を設置し、広報啓発活動や民間資金を活用したNPOなどの支援団体の自主的な活動への支援に取り組む。
宮古地区(宮古島市・多良間村)が県に提出した2016年度要望事項は次の通り。
宮古島市から▽下地島空港・周辺残地の利活用促進▽超高速ブロードバンド環境の早期整備▽平良港の漲水地区再編事業推進▽宮古地区国営造成施設応急対策事業の支援▽独立行政法人種苗管理センターの宮古島市への誘致▽県営宮古広域公園の早期整備▽中央児童相談所宮古分室の早期設置▽天然ガス資源の有効活用支援▽宮古島市バイオエタノールプロジェクトの事業化支援▽家畜伝染病予防法の動物検疫上の早期指定港化、水際防疫対策強化▽子宮頸がんワクチン接種後の健康被害支援。
多良間村からは▽農業農村(土壌)整備▽貯水池修繕▽産業廃棄物処理支援▽小規模離島医療の充実▽水道事業の広域化促進▽学校空調設備維持費の財政支援▽フェリー貨物運賃助成。