3氏、機運盛り上げ必死/県議選
GWはアピール合戦の様相
任期満了に伴う県議会議員選挙(5月27日告示、6月5日投開票)宮古島市区(定数2)の告示まであと1カ月を切ったが、立候補を表明した3氏の関係者からは異口同音に「なかなか盛り上がらない」との感想が聞かれている。3氏とも、政策ビラの配布に力を注ぐ一方で、機運盛り上げに向けてGW期間中は集会や有権者とのふれ合いなど、アピール合戦の様相を呈している。
今回の県議選には、保守系から現職の座喜味一幸氏(66)=自民公認=と、元市議の嘉手納学氏(50)の2人が出馬を表明。さらに、翁長雄志県政を支える「オール沖縄」を掲げて現職市議の亀濱玲子氏(62)=社民、社大推薦=が出馬を表明している。
分裂選挙となった保守系は、選挙後の「しこり回避」を目的に、両候補者に一部の市議を振り分ける戦術で選挙戦に挑んでいる。
しかし、現職の座喜味氏は「自民公認」を前面に押し出した選挙が展開できる一方で、無所属で出馬する嘉手納氏側はこの振り分け戦術に対する不満の声が強まっている。
嘉手納氏側の関係者は「もともと、現職に対する不満の声が強まって嘉手納氏擁立の動きになった。一部の議員が言われるがままにただ振り分けられて選挙に挑むこと自体がおかしい。逆にそれが選挙後のしこりの要因になりかねない」との声も聞かれている。
一方の座喜味氏側の関係者は「こちらは自民公認であり、現職の強みもある。盛り上がりに欠ける選挙だが、周囲の動向を気にするよりもとにかく前を向いて進むだけ」と話した。
「分裂」だが「しこり回避戦術」という複雑な選挙となる保守系にとって、座喜味氏側は8年前の票(1万330票)を守り、保守系市議8人が支える嘉手納氏側は、その票をどれだけ切り崩せるかが注目となっている。
現職の奥平一夫氏との混迷を極めた一本化調整が最終局面でまとまり、何とか分裂を回避できた亀濱氏側も、8年前の県議選時に比べ市議会が圧倒的に保守多数となっている状況などを踏まえ、手探り選挙の様相となっている。
前回県議選で奥平氏が獲得した9845票の目減りを危ぶむ一方で、盛り上がりに欠ける現状にも不安も募らせる。
ある関係者は「分裂回避は議席を守るための最低条件が整っただけ。県議選は来年の市長選に向けた大きな布石と位置づけているし、それを有権者にも訴えたい。『市政奪還』も大きな焦点に据えて挑みたい」と話した。
そのほか、市議会の最大会派21世紀新風会は、保守系の2氏を基軸に支持候補を検討中としている。
出馬を表明した3氏にとって多くの有権者が休日となるGW期間中は、その政策と人柄をアピールするチャンスであり、有権者にとっても、その訴えをしっかり吟味する期間となりそうだ。