心肺蘇生法など学ぶ/久松小教職員
PUSHコース・エピペン講習会
久松小学校(亀川典子校長)の教職員を対象にしたPUSH(心肺蘇生)コース・エピペン講習会が6日、同校の教職員を対象に行われた。学校でのPUSHコース講習会は今回が初めて。宮古病院家庭医療センターの鈴木全医師を講師に迎え、参加した教職員21人は胸骨圧迫、AED(自動体外式除細動器)や、アナフィラキシーによる心停止を防ぐための補助治療剤エピペンの使い方などを学んだ。同講習会は教職員が指導者になり、授業の一環として、救命処置を生徒たちに教えることを目標にしている。
鈴木医師は「国内で心臓突然死で死亡する数は年間約6万人ともいわれ、いつ、どこでも、誰にでも起こりうること。救急車が現場に到着するのに要する時間は平均で8分。救急救命は心肺停止になってから数分が勝負。胸骨圧迫心臓マッサージで救命率は2倍、AEDを使うことでさらに2倍になる」と説明した。
参加した教職員は、倒れて呼吸が正常でない人を見つけた場合の対処方法を▽周囲の安全確認▽意識の有無(反応)の確認▽大声で「119番に電話して」「AEDを持って来て」など応援を求める▽呼吸の確認▽正常な呼吸をしていなければためらわず胸骨圧迫心臓マッサージを実施する-などの手順の説明を受けた。
参加者は「強く、早く、絶え間なく」胸骨圧迫心臓マッサージ行う手順や方法などを心肺蘇生トレーニングキットを使い実践した。
また、AEDの使い方は、AEDの指示通りに行動すれば良いことを学んだ。
PUSH(押す)講習会は「胸骨を押す」「AEDのボタンを押す」「勇気を出して救命行動をとるよう自分の背中を自分で押す」の三つの「押す(PUSH)」を意味する。
また、アナフィラキシー症状が出た場合、鈴木医師は「治療を受けるまでの時間は、自分で受診する場合は平均30・8分、救急車では同26・6分掛かる。繰り返し吐く、息が苦しい、全身じんま疹などの症状が出たときは、補助治療剤エピペンをいかに早く使うかが大切で、病院受診を待っていたのでは間に合わないことがある」と述べた。
参加者はエピペンを使うときは太ももの外側にしっかりと押しつけて、5秒間待つなど、基本的なエピペンの使用方法を学んだ。
アナフィラキシー 特定の起因物質により生じた激しい急性の全身性のアレルギー反応。重症になると血圧低下や呼吸困難などを伴うアナフィラキシーショックという状態になり、重い場合は心停止や酸素欠乏で死にいたる。
エピペン アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の執行を一時的に緩和するための補助治療剤。