早期の応急対策事業を/宮古土地改良区
総合事務局に下地市長要請
【那覇支社】宮古地区国営施設応急対策事業推進協議会長の下地敏彦市長らは10日、沖縄総合事務局に久保田治局長を訪ね、国営施設応急対策事業宮古地区の2017年度事業着工について要請した。
下地市長は「宮古地区で整備された水路の一部の路線(主に硬質塩化ビニル管)では、原因不明のパイプラインの破損事故が多発して、農業生産への支障となっているほか、道路の陥没などによる交通事故発生の危険性といった二次被害が懸念されている」と指摘し、「頻発する破損事故で農業用水の安定供給に支障を来し、維持管理のための多大な費用と労力を要している」と現状を報告した。
その上で「まずは原因を究明し、補修などの応急対策事業の17年度事業着工地区として採択されるよう強く要望する」と訴えた。
久保田局長は「破損が起きて大変な不便を掛け、経費も増加していると聞いている。そういう点を踏まえて応急対策事業を進める必要がある。17年度の着工に向けて農水省や県と相談しながら、予算の確保に努めていきたい」と話した。
また、宮古土地改良区の理事長を務める下地市長は国営かんがい排水事業「宮古伊良部地区」の事業推進ついても要請した。
国は2009年度から伊良部大橋を通して伊良部島に農業用水を供給するため、宮古島2カ所で地下ダム増設工事を進めている。
要請書で「基盤となる地下ダム建設が進められる中、かんがい事業全体の進捗率はまだ低く、15年度末現在で、国営は32%、国営関連事業では受益面積9156㌶のうち、4789㌶にしか水がきていない」とし、「国営宮古伊良部地区・国営関連事業の予算確保に配慮を」と要望した。
久保田局長は「大橋ができて伊良部の農業が飛躍的に向上するという期待が持てるので、ぜひ継続して進めていけるようにしていきたい」と述べた。