E3販売、一時停止/エコの島に打撃
基材ガソリン調達できず
基材ガソリンとバイオエタノールを混合して製造する自動車用燃料「E3」の販売が一時的に停止されている。基材ガソリンの供給元企業が石油販売事業から撤退したためだ。供給が途絶え、在庫も尽きたために販売を停止した。市によると6月をめどに再開が期待されているが、「現段階では不透明」だという。当面の措置としてレギュラーガソリンを販売している。
市によると、南西石油が石油製品販売から撤退したことで基材ガソリンの安定供給がストップ。先行きは見通せないという。
E3を販売する給油所は宮古島市を含めて県内に57カ所あるが、いずれも基材ガソリンの調達に苦慮。E3の販売を一時停止するなどして対応している。
宮古島市のスタンドは2週間ほど前からレギュラーガソリンに切り替えることを告知しており、市民に理解を呼び掛けている。
今後は、基材ガソリンの安定供給に向けて具体策が打ち出せるかどうかがE3継続の焦点になる。国を含めて、E3をめぐる関係機関の対応が注目される。
E3は、沖縄本島から調達する基材ガソリンと、宮古島のサトウキビから製造しているバイオエタノールの混合物。バイオエタノールの副産物「液肥」も有効に活用されている。
市エコアイランド推進課では「プレミアム商品券等で認知度も上がっていたところだった。高まっている市民の環境意識がしぼんでしまわないかが心配だ」と懸念。ただ、近くE3に頼らないバイオエタノールの活用を検討する委員会を立ち上げるとし、「伸びる雰囲気はある」と期待した。