入札不調で工期に影響/未来創造センター
予定価格に大きな開き/供用開始3~5カ月延期へ
宮古島市(下地敏彦市長)の2016年度新規事業として、建設費21億9000万円が市議会3月定例会で認められた未来創造センター(図書館と公民館の複合施設)。その建設工事入札が10日に行われたが、市の入札予定価格と業者の入札額に大きな開きがあり、この日の入札は不調に終わった。これにより、当初予定の工期はずれ込み、2018年4月の供用開始予定も3~5カ月程度延期される見込みとなっている。
10日に行われた同建設工事の入札は、1工区と2工区に分けて行われた。
1工区の入札予定価格は12億6852万8000円に対して、入札した二つのJV(共同企業体)の入札額は、16億6000万円と16億7100万円で予定価格と約4億円の開きがあった。
さらに、2工区では入札予定価格12億4173万3000円に対して、入札した二つのJVの入札額は19億8300万円と20億5000万円となり、予定価格から7億~8億円の開きがあった。
市契約検査課は「これだけの大きな事業で予定価格と入札額に大きな開きがあり、不調に終わることはほとんど無いのでびっくりしている」と述べた。
同センターの建設工事入札不調について、担当の企画政策部振興開発プロジェクト局の多良間雅三局長は「予算額を増やすことはない。あくまで現在の予算内でやる。今後、設計を見直して再度入札を行いたい」との見解を示した。
設計の見直し内容については「建物の構造そのものは変えられない。内部の資材、例えば壁材など扱う資材を当初よりも安い材料に変えることになる」と述べた。
同センターの設計については、一部の関係者から「建物そのものが特殊な設計で、市が示している予定価格内でやるのは難しいと思う」との声も聞かれている。
これに対して多良間局長は「設計そのものは特殊ではあるが、それに応えるだけの技術とノウハウを持った業者を指名選定している。この予算枠でやり切れると思う」と話した。
また、予定価格と入札額に大きな開きがあったことについては「今回の見積期間にゴールデンウイークが入ったことで業者と資材メーカーなどとの調整時間が少なかったという話も聞いているので、今後はある程度期間を設けたい」と述べた。
多良間局長によると、当初は6月議会までには仮契約を済ませて、議会承認を経て本契約となり工期スタートとなる予定だったが、今回の不調で議会承認は早くとも9月議会にずれ込むとしている。
供用開始時期については「申し訳ないが今の状況では予定の18年4月は間に合わない。供用開始は7~9月ごろになると思う」との見解を示した。