肉用牛振興に一丸/JAおきなわ
結束のシンボル建立/関係者集い決意新た
JAおきなわ宮古家畜市場にこのほど、宮古牛振興の碑が建立された。14日午後、記念式典と祝賀会が催され、畜産関係者が一層の肉用牛振興を誓った。JAおきなわの砂川博紀代表理事理事長は「碑は結束のシンボルになる」と述べ、素牛(子牛)市場の安定と発展に向けて決意を示した。
振興の碑は、生産者と行政機関、JAなど関係者が共通の認識を持って肉用牛生産に取り組んでいくことが狙い。子牛の高値取引が続く一方で、飼養頭数や子牛生産頭数が減少していることを懸念。増頭の意識を地域全体で高めるために振興の碑を建立した。
今年3月に建立委員会を結成。関係方面への要請行動を展開し、5月10日に振興の碑を完成させた。
碑の高さは1・8㍍(台座含めて2・5㍍)で、建立費は約400万円。
記念式典でJAおきなわの砂川理事長は、「(肉用牛と)サトウキビは宮古農業の両輪だ」と述べ、農業産出額を示しながら肉用牛産業の重要性を説いた。
素牛不足に伴う子牛の高値販売に触れる一方で懸念も表明。「繁殖雌牛頭数や子牛頭数が減少し、肉用牛生産基盤の維持に不安を抱えている」と述べ、産業振興の取り組みが欠かせないとする考えを示した。
その上で振興の碑の建立の意義を強調。「結束のシンボル建立を機に、ますます宮古の畜産が発展することを期待する」と述べた。
建立委員会の平良一夫委員長が建立までの経過報告を行った後、砂川理事長ら関係者が除幕。白い布を取り外し、中央に「宮古牛振興の碑」と刻まれた碑を参加者にお披露目した。
下地敏彦市長は「素牛をどうやって増やすか。市は助成額を増やしている。今後も農家の皆さんの要望に応えていきたい。宮古島を畜産の島にしよう。そのために市も一緒に努力を続けたい」と述べ、畜産業への行政支援を約束した。
式典後の祝賀会では、関係者が祝杯を上げながら結束。畜産振興に向けて決意を新たにした。
宮古地区における肉用牛販売は、ここ数年右肩上がりで推移している。2015年の年間販売額は40億円に迫る勢いだった。一方で高齢化の影響で生産農家は年々減少、子牛生産頭数も減少傾向にある。