融資総額71億円/公庫宮古支店15年度
前年度比2.6%増/背景に公共工事、観光客増
沖縄振興開発金融公庫宮古支店(玉那覇通男支店長)は18日、2015年度の管内の融資実績を発表した。融資件数は556件で、前年度(575件)に比べ19件(3・3%)減となったものの、融資額は71億6700万円で前年度(69億8600万円)比1億8100万円(2・6%)増となった。背景として同支店は、地下ダムや港湾整備など公共工事の着実な進ちょくが見られたことや、関西直行便の再開、クルーズ船の就航で入域観光客数が増えたことなどによる管内経済の活性化を挙げている。融資実績は、同公庫のホームページでも公表する予定。
宮古島商工会議所、伊良部商工会が推薦する小規模事業者経営改善資金(マル経資金)及び沖縄雇用・経営基盤強化資金(沖経資金)を合わせた融資額は前年度比1億4800万円(8・6%)増加し高い水準となった。
融資額を業種別にみると、建設業が18億2500万円(前年度比5・9ポイント増)と最も多く、次いでサービス業13億1400万円、製造業12億6200万円などとなっている。
建設業は、卸・小売業同様、産業構造上構成比が高い業種で、それを反映して融資実績もトップになっている。
サービス業は、医療、福祉も含まれており、その伸びが大きく寄与している。
製造業では、生コン製造業向けの融資が伸びた。
一方、不動産業の構成比は全体の8・7%で、消費税増税の駆け込み需要で構成比が高かった13年(19・1%)以降は低調に推移している。
同支店は、国の補正予算(今年2月)に伴い融資制度が拡充された「ソーシャルビジネス支援資金」の融資実績は6件、3000万円だったことを特徴として挙げた。
同資金は、少子高齢化の進展で高齢者介護や子育てなど、地域課題の解決を目的に取り組む組織や企業などを支援する制度。
玉那覇支店長は「福祉分野は人材への依存度が高く、雇用面でも地域社会に寄与する業種である」と指摘。小規模保育事業者や放課後学童クラブに融資を通して、宮古圏域の子育て環境を支援したことを強調した。