品目にキュウリ追加/農水産物流通条件不利性解消事業
鹿児島までの輸送費補助
県の2016年度農林水産物流通条件不利性解消事業の説明会が19日、県宮古合同庁舎で開かれた。鹿児島までの輸送費相当額を補助する制度で、野菜や果樹を宮古島から出荷する場合は航空輸送で1㌔当たり115円、船舶は35円の補助がある。事業開始5年目に当たる16年度は補助品目にキュウリ等を追加する。
この事業は、県産農林水産物の県外出荷に関し、大きな消費地から遠隔にある沖縄の輸送上の不利性を軽減することが狙い。出荷団体が県外出荷する際の輸送費の一部を補助する。
県によると、事業開始年度の12年度は2万3000㌧の農林水産物を対象に輸送費を補助。13年度は5万300㌧、14年度は5万7000㌧、15年度は5万7900㌧の実績だった。
利用する団体も右肩上がりで推移しており、12年度の71団体から15年度は129団体まで増え、事業の認知が広がっている。
16年度の補助対象品目は前年度とほぼ同じ。野菜がゴーヤーやカボチャ、レタス、オクラ、トウガンなど計16品目。16年度から新たにキュウリを加えた。
果樹はマンゴーやパパイヤ、ドラゴンフルーツ、アセロラ、パッションフルーツなどが対象となる。
花きや畜産物、水産物の輸送費も補助する。
宮古島の出荷団体を対象とする補助額は、花き・水産物の航空輸送が1㌔当たり140円、その他の野菜や果樹は115円。船舶は全品目35円で、モズクは15円の補助額となる。
補助対象者は農協や農事組合法人、漁協、農林漁業者等が組織する団体。申請の受付期間は今月27日から7月8日まで。補助適用期間は16年4月1日出荷分以降となる。補助金の交付は原則として実績報告後。
説明会で県流通・加工推進課の幸地稔課長は「輸送費の負担が軽減され、県外での県産農林水産物の市場競争力が高まり、生産拡大や付加価値の向上を期待している」と述べ、事業の利用を呼び掛けた。
事業に関する問い合わせは、同課(電話098・866・2255)や県宮古農林水産振興センター(電話72・2552)まで。