養殖モズク大幅減産/宮古島漁協
日照不足など原因
宮古島漁協(渡真利一夫組合長)が取り扱う2016年産養殖モズクが、過去3年間の平均収穫量約600㌧と比べ10分の1の60㌧前後に減産になる見通しだ。日照不足などの天候不良が原因。養殖モズクで生計を立てている漁業者は「収入が少なくなり、これからの生活が大変」と悲鳴を上げている。
宮古での今期の養殖モズク収穫は今月中に終了する予定。漁業者の中には、大幅な減少から生産を終えて表情は冴えない。
同漁協が扱った過去3年間のモズク収穫量は2013年度603㌧、14年度543㌧、15年度669㌧。
渡真利組合長と同漁協のモズク養殖生産部会(会員52人)の本村貞和会長は19日、同漁協事務所で取材に応じた。
渡真利組合長は「今回のモズク不作は宮古だけでなく、県全体で起こっている。自然相手なので、これを乗り切っていく対策を考えなければならない。モズク生産者が儲からないと、担い手は育たない」と深刻な表情で指摘する。
その上で「今回のような自然被害には行政の支援が必要である。行政に支援をお願いしたい。養殖モズク生産者には加入できる特定養殖共済制度がある。今後は漁業者を対象にした制度の説明会を開きたい」と前向きに取り組んでいく姿勢を示した。
本村会長は「養殖モズクの成長期は12月下旬から1月中旬頃。日照不足などの原因で成長不良となり、網に根付いていたモズクの根腐れも見られた」とショックを隠さない。
また「宮古では約40年前から養殖モズクは行われていると聞いているが、今回のような不作は初めてだ。県や宮古島市の支援をお願いしたい。これから特定養殖共済制度の知識を深め、会員の加入を促進したい」と万が一の自然被害に対応する考えを示した。