担い手育成、魅力ある経営を/肉用牛
生産者大会で採択/JAおきなわ 高値維持に結束図る
【那覇支社】JAおきなわは20日、第2回肉用牛振興生産者大会を宜野湾市で開催し、主催者発表で約250人が参加した。宮古地区からも、宮古和牛改良組合の砂川栄市組合長ら13人が出席した。大会では、生産を取り巻く環境の報告や、担い手の育成により魅力ある肉用牛経営を確立することなどを柱とするスローガンの採択が行われた。
開会式では、JAおきなわの砂川博紀理事長が「沖縄の畜産業は全国でも高く評価されているが、TPPの大筋合意などで影響が懸念されている。国や県の協力を得ながら生産を拡大したい」と挨拶した。
大会での報告によると、14年の県内農業産出額901億円のうち、肉用牛は169億円で約19%を占める。
宮古・多良間での肉用牛販売実績も上昇傾向で、JAおきなわが昨年12月に取りまとめた統計では、15年の販売実績が前年比5億7950万円増の38億2739万円と過去最高となっている。
好調な販売は、1頭当たりの取引価格が上昇していることが主な理由で、09年度に宮古市場で31万5000円だった子牛1頭当たりの平均価格は、15年度には65万4000円まで上がっている。19日に開かれた宮古市場でも平均価格は71万3000円となり、今年度に入ってからも高価格を維持している。
一方、県内の肉用牛農家が高齢化などの理由で11年には3134戸だったのが14年には2636戸まで減少していることも、大会では報告された。
砂川組合長は「子牛の値段は高値を維持しており、この時期に頭数を増やすよう取り組んでいる。農家の後継者が育つように、畜産が儲かる農業だと見本を示せるよう頑張っています」と、生産に懸ける意気込みを話した。
大会ではこのほか、▽担い手を育成して魅力ある肉用牛経営を確立する▽優良な雌牛の県内保留に努め、頭数増加に努める▽繁殖管理の徹底で生産性を上げる▽子牛の育成技術を発展させるとのスローガンを採択した。