平良港拠点の振興探る
「物流」「観光」で講演会
平良港を核とした宮古の将来戦略を探る「平良港からの宮古地域振興セミナー」(主催・平良港整備促進期成会、宮古島市)が21日、市内のホテルで開かれた。県内外の各界各層の代表らが、港とつながる地域経済の活性化の可能性について提案・提言した。国土交通省港湾局長の菊地身智雄さんが行政報告の中で「港湾法の一部を改正する法律」が今月20日に公布されたことを述べた上で「この法律でクルーズ船の受け入れで活動している民間団体を『港湾協力団体』に指定し、さまざまな支援を行っていく」と強調した。宮古でも指定団体が誕生する可能性が高い。
冒頭、下地敏彦市長は「現在、平良港において、平成24年度から平良港漲水地区複合一貫輸送ターミナル改良事業を実施している。外郭施設が今年3月末に終了し、4月から本格的に埋め立て工事を着工している」と語った。
その上で「また、耐震岸壁の平成29年度供用開始に向け事業を推進している」と述べ、これまで以上の大型クルーズ船の接岸に期待を込めた。
菊地さんは「改正法律では、クルーズ旅客ターミナルビルの整備に対し、民間事業者が実施する場合には無利子貸付として提供される。政府としてもますますクルーズ需要に対し、制度面の拡充を図っていきたい」と意欲を示した。
講演は1部が「物流」、2部が「観光」で構成された。1部で、沖縄ヤマト運輸社長の赤嶺真一さんは演題「宮古島発マンゴー安定輸送について」の中で「これまでの輸送手段を全体的に見直し、コスト低減化に向け提案する。また宮古島宅急便センター施設・設備の充実を図るため、低温保管庫の拡張を含め、マンゴー取扱量増に向け移転先の検討に取り組みたい」と説明した。
宮古島商工会議所副会頭の根路銘康文さんは「平良港の利用状況と課題について」と題して講演。その中で「連続する第2バースの早期着手と完成」などを述べた。
2部では、沖縄観光コンベンションビューロー海外事業部海外プロモーション課長の玉城扇さんが演題「宮古地域の観光の現状・課題及び将来に向けた取組について」、カーニバル・ジャパン社長の堀川悟さんが「アジアを中心としたクルーズ船受入の現状や取組について」と題しそれぞれ講演した。