「施設建設認めない」/陸自駐屯地建設事業協議書
学術部会 汚染の可能性指摘
市地下水保全条例に基づき沖縄防衛局から市に提出され、市地下水審議会と学術部会で審査されていた平良西原の旧大福牧場周辺に陸上自衛隊の駐屯地を建設する事業計画について、同部会の結論は「施設の建設・運用は認められない」との内容だったことが分かった。これは22日に行われた「緊急!宮古島・命を守る5・22シンポジウム」で同部会の委員が発表。その内容に会場を埋め尽くした参加者からどよめきが起こった。
この報告をしたのは、学術部会の委員で琉球大学理学部の新城竜一教授。実際に自らが参加した同部会の審議内容を紹介しながら、その結論に至った理由などを紹介した。
結論の理由については▽油分・薬物等の漏出が全くないとは判断しがたく、その漏出のある場合、水道水源地下水の推進を恒久的に汚染する恐れがある▽当該地下水流域は主要で恒久的な水道水源であるため、地下水の水質・水量に対する多段階のリスク管理が必要と目されるので予防原則的に不適切▽有事の際、本施設が攻撃対象となった場合、その攻撃による水道水源地下水の水質汚染、地下水帯水層の破壊等が発生しうる-としている。
新城教授は、地質学的な問題点などを指摘しながら、施設の建設予定地がいかに不適切であるかを強調した。
さらに、防衛局から提出された修正図面については、白川田流域は、主要な水道水源であり、さら活断層の密集地であることを指摘し、同地区が建設不適合地区であることを訴え「流域外なら何をやっても良いと言うことにはならない」と指摘した。
この学術部会の判断や議事録については、市民団体や市議会からも公表と開示を求める要望が相次いでいるが、下地敏彦市長はそれを拒否し続けていた。
下地市長は23日のマスコミの取材に対し、学術部会の判断についてはすでに上下水道課から報告を受け、ある程度の概略は知らされていたことを認めた上でその判断に疑問を呈した。
さらに、「市長が事前に学術部会の結論を知っていたのであれば、事前に防衛局との間で何かがあったのではとの疑問も出ている」との質問には「そういったうがった見方はしないでほしい」と述べた。