投票率 過去最低/県議選宮古島市区
「情報感じない」/棄権した有権者にインタビュー
5日に投開票が行われた第12回県議会議員選挙。宮古島市区の投票率は56・26%で、前々回(第10回、2008年)を10・19ポイント下回り、過去最低となった。棄権者数は1万9035人(宮古島市1万8743人、多良間村292人)。宮古島における過去の県議選投票率は、91・16%をピークに70%~80%台で推移し、選挙熱の高さが感じられたが、近年は右肩下がりだ。宮古毎日新聞社は、今回の県議選を棄権した有権者に「なぜ、投票に行かなかったのか?」理由を聞いた。
自営業の男性(56)は「仕事が忙しかった」ことを理由に上げたが「候補者には情熱が感じられず、パフォーマンスだけが上手になった気がする」と話した。
農業の男性(37)は「選挙は、自分の生活の中で身近に感じられない」、24歳の男性会社員は「もともと興味がない。周囲の人とも選挙の話はしたことはない」とそれぞれ冷めた様子。33歳の会社員男性は「投票日に病気になった。無理をしてまで、投票したいと思う候補者がいなかった」と話した。
「誰に投票しても変わらないような気がする」と話す有権者も多く、50代の女性(公務員)は「選挙の時だけ、宮古島のためと言っているように聞こえる。それに反論するために、投票しないことにしている」、30代女性(会社員)は「どの候補者が当選しても、どう変わるのかとの思いもあった」、30代のアルバイト男性は「興味がなかったし、最初から投票するつもりはなかった。誰に入れた方が良いかも分からない。面倒くさいので投票しなかった」とそれぞれ語った。
会社員男性(40)は「最近は県議選に限らず、どの選挙にも行っていない」という。「誰がなっても変わらないと言ってしまうと角が立つが、実際に変わったと思えるようなことがない」と話し、公約が目に見える形で実現していないことに憤った。
白票を投じたという会社員の男性(52)は「誰に入れれば良いのか分からなかった。政策、人柄、経験など全てにわたってこれはという人物がいなかった」と理由を説明。「棄権しても良かったのではないか?」との質問には「『候補者の中には、私が支持できるような人はいない』との意思表示をしたつもりだ」と述べた。
一方で、「投票にはなかなか行かないが、今回は自身の意志で投票所に行き1票を入れた」と話すのは48歳の女性会社員。
「今回の選挙には、地下水問題や陸上自衛隊配備計画など、宮古の将来を大きく左右する問題が含まれていた。それが投票所に向かわせる原動力になったと思う。私が選挙に関心を持てば、子供たちも自然に政治に関心を持つはず」と話した。
市選挙管理委員会の下地淳徳委員長は、投票率低下について「宮古島市だけでなく、全国的な傾向」と指摘。7月の参院選から、投票できる年齢が18歳以上に引き上げられることを紹介し「若い人たちの政治への意識が高まれば、相乗効果で投票率アップにつながる可能性はある」と期待した。