書籍や旅費に使用/15年度政務活動費
全額返還、未申請も/今年度から18万円に増額
市議会事務局はこのほど、市議の政策調査研究費などの活動に支給される政務活動費の2015年度収支状況をまとめた。市議26人中、24人が年間6万円の活動費を支給されたが、うち、4人が使わなかったなどとして一部、または全額を市に返還。「議員報酬で対応する」などとして、最初から申請しなかった議員もいた。同活動費は、「議員活動がしやすい環境づくりの推進」などを理由に、昨年度まで月額5000円(年額6万円)を、今年度から3倍となる月額1万5000円(同18万円)に増額した。
同活動費を巡っては、一部議員から県内11市の中では最低額だとして、月額2万5000円(同30万円)に引き上げる予算要求を行った。
しかし、市は財政状況などから月額1万5000円(同18万円)で予算計上した。
活動費は使途目的など報告が義務づけられており、毎年4月に議員が申請すれば年額で一括支給される。
15年度に報告された主な活動費の内容は、調査研究活動のために必要な書籍や、視察、研修のための旅費、新聞購読料などとなっている。
議会事務局では、活動費は社会通念上、妥当な範囲であることを前提とした上で、「議員が添付した領収証については、担当職員が精査している。これまでに趣味や私用に使われたと思われるような事例はない」と説明している。
多くの議員が新聞購読料を活動費として計上していることについては、「娯楽性が高いスポーツ新聞は不可」としたものの、妥当性については「透明性の確保という観点から、各議員は説明責任を果たさなければならない」と述べるにとどめた。
各議員ごとにまとめられた活動費の収支報告書は、市議会政務活動費交付に関する条例に基づき、一般市民の閲覧が可能。議会事務局に申請すれば、誰でも見ることができる。
同事務局によれば、これまで閲覧した市民は年間1~2人くらいだという。
上地昭人議会事務局長は「今年度から政務活動費がこれまでの3倍となった。使途については市民の関心も高まると思う」と話す。
活動費をホームページで閲覧できるようにした自治体もあることから「要望が多ければ、議員と相談の上、課題として検討することはできる」と話した。