応募資格外の企業を選定/ウインディ管理者指定
市、議会の議決求める/総務財政委「審査できない」
自治体が民間企業や団体などに公の施設の管理を代行させる指定管理者制度で、宮古島市が、「ふれあいの前浜海浜広場施設(下地前浜、ウインディまいばま)」の募集要項に該当せず、応募資格外の企業を選定していたことが分かった。市は、開会中の市議会(棚原芳樹議長)6月定例会に、同企業を指定管理者の候補として議会の議決を求め上程している。
同議案は、総務財政委員会(嵩原弘委員長)に付託されており、15日の審査で委員から指摘があった。
同施設の指定管理者募集要項の応募資格では、「宮古島市に主たる事業所等活動の拠点をおき、かつ団体の主たる構成員が宮古島市民であることを原則とする」と記されている。
市によると、選定された企業は設立したばかりで、所在地は平良西里となっているが、代表者を含む構成員3人は島外に住所があるという。
指摘された市観光商工局の垣花和彦局長は「代表者は市に転入する意思を示している。ほかの2人については、家族が宮古島市に住んでいる」と答弁。「厳密に言えば、市民に該当しないが『(応募資格に)原則とする』とあることから、今回はこれに準ずるという判断を行った」と説明した。
質問した委員の前里光恵氏は、同企業の所在地を確認したところ「企業としての形態を成していない」と指摘。同企業を指定管理者の候補とした選定委員会(委員長・長濱政治副市長)に疑問を呈した。
前里氏は「指定管理を受けるために会社を設立し、役員は島外にいる」と述べ、提出書類を受け付ける段階で拒否すべきだったと主張した。
新里聡氏は「募集要項に合致しないものは審査できない」、真栄城徳彦氏は「全ての条件をクリアした候補者として、審査はお願いするものだ」とし、議案を取り下げるよう要求した。
國仲昌二氏は募集要項にある「選定した指定管理の候補者の指定が不可能または著しく不適当と認められる事態が発生した場合は、再度の選定」などの文言を示し、選定をやり直すよう求めた。
垣花部長は「応募に必要な書類が不備で、住所の確認が不十分だった。募集要項に照らし合わせれば受け付けるべきではなかった」と事務処理の不手際を認めた。
宮国高宣総務部長は「上司と相談した後で報告する」と述べた。
ウインディまいばまについては、市議会3月定例会で市当局が提案した別の指定管理候補者が否決された。現在は、管理者不在となり閉鎖されている。