戦跡巡り、壕で追体験/西城中
「慰霊の日」前に平和学習
沖縄戦の犠牲者を悼む23日の「慰霊の日」を前に、西城中学校(砂川弘康校長)は15日、平和学習会「戦跡巡り」を実施した。全校生徒48人は、城辺長南地区で旧日本軍が使っていたとされる「山田バタの壕(ごう)」に入り、真っ暗な中で追体験した。生徒たちは戦争の怖さを体感し、平和の尊さを実感した。
身近な戦争遺跡を巡り学習することを通して、戦争は他人事でないことを認識し、戦争のない社会を希求する気持ちを育てることなどを目的に開かれた。
現場での戦跡巡りに先立ち、市教育委員会文化財係の久貝弥嗣さんが「西城学区に係わる戦争中のお話」と題して講話した。
久貝さんは「長南地区の山田という所に駐留していた兵隊は輜重(しちょう)兵第28連隊だった。輜重兵とは、日本陸軍の後方支援科の一種とされ、食料など軍需品の輸送を任務としていたという。この連隊は約800名ほどで構成され、山田に本部が置かれた」と説明した。
生徒たちは、車数台に分乗し、山田集落内を歩きながら学習した。
久貝さんは「この御嶽(うたき)は、ティンヌシュウ御嶽と称する。戦中は高い松の木が立ち、木の上にはやぐらが作られ敵機を見張っていたようだ。また御嶽内には林間学校がつくられ、子供たちが学んでいたようだ」と話した。
生徒たちは「山田バタの壕」では、懐中電灯を照らしながら入った。
参加した2年生の下地愛梨さんは「地域にあった戦争のこと知り勉強になった。平和の大切さをとても感じた」と感想を話した。
同じく1年の伊良部琉海君は「壕の中で海中電灯の明かりを消した時は、戦争のことを思った。いろんな爆弾が落ちて来ることを考えると、恐ろしかった」と語った。