陸自駐屯地建設新計画審査など 陳情書採択見送る
継続審査を決定/市議会経済工務委員会
市議会経済工務委員会(仲間則人委員長)が16日、市役所平良庁舎で開かれ、陸上自衛隊駐屯地建設計画について審議した市地下水審議会と学術部会の議事録公開や、建設場所を水道水源流域外に変更し新たに提出された建設計画も地下水審議会で審査することなどを求める3件の陳情書の審査などを行った。委員の意見が採択と継続審査に分かれたため挙手による採決を行った結果、いずれも継続審査とすることを決した。
審査が行われたのは、「陸上自衛隊駐屯地建設事業に関する協議書の公開ならびに地下水審議会と学術部会の議事録公開と地下水審議会の再開を求める陳情」と「陸上自衛隊駐屯地建設計画の修正図面について、地下水審議会および学術部会の開催と、『事前協議の必要なし』とした『宮水道第129号』(沖縄防衛局への回答)の取り下げを求める陳情」、「『沖防第2605号修正図面』(新たに提出された建設計画)の水源汚染懸念を払拭(ふっしょく)し市民を安心させるための地下水審議会開催を求める陳情」の3件。
下地智氏と池間豊氏は当初計画を審査した学術部会の結論に対し市長、副市長が修正を求めていたことを問題視し、議事録を公開すべきと主張。新たな建設計画についても水道水源流域に隣接していることから地下水審議会で審査は必要として陳情書は採択すべきとの考えを示した。
それに対し西里芳明氏は議事録公開には賛成するも地下水審議会開催については、与党議員10人が計画に反対する要請を市長に行っていることを挙げ、今定例会で市長から要請に対する回答を聞いてから判断すべきとして陳情は継続審査とするよう主張した。仲間賴信氏、下地勇徳氏、富永元順氏、下地明氏もその考えに同調。さらに仲間氏は水道水源流域外であれば審査は不要との考えも示した。
陳情書では、地下水審議会や学術部会の委員が駐屯地建設が地下水汚染につながる懸念を指摘する見解も紹介。それを踏まえ下地智氏と池間氏は専門家の懸念を払拭するためにも審議会で審査する必要があると訴えた。一方、西里氏は「偏った意見なのではないか」、仲間氏は「何としても自衛隊配備を止めたいという意図を感じる」とその見解をもって審議会開催の判断を行うことに否定的な認識を示した。
挙手による採決を行った結果、いずれも継続審査とすべきが挙手多数となり継続審査と決した。
15日に審査した一般会計補正予算案などの議案は全会一致で原案通り可決した。