最高賞はトミおばあ/みゃ~く方言大会
宮古フツに会場爆笑/弁士9人が熱弁振るう
宮古フツを語り継ぐ第23回「鳴りとぅゆん(鳴り響く)みゃ~く(宮古)方言大会」(主催・宮古島市文化協会)が25日、マティダ市民劇場で行われた。弁士9人が流ちょうな方言をユーモアたっぷりに披露。会場を埋め尽くした観客とともに宮古フツの魅力を共有した。審査の結果、多良間村出身で豊見城市在住の来間トミさん(90)が最高賞の市長賞に輝いた。優秀賞に当たる教育長賞は下地の前川良子さん(64)、文化協会長賞は平良の下地秀樹さん(53)が受賞した。
方言大会は午後6時30分に開会。出演者の年齢は幅広く、最年少が24歳の新里英斗さん、最高齢は90歳の来間さん。司会は前回最高賞のセリック・ケナンさんが務めて花を添えた。
最高賞を受賞した来間さんは、幼少のころに祖父や祖母から聞いた話を基に話を進めた。
多良間島で言い伝えられてきた嶺間按司ガナスの格言を紹介し、「『気が立てば手を引き、手が出れば気を引け』の格言を教訓として肝に銘じ、子や孫に語り継いできた」と語った。
自給自足だった昔の潮干狩りの様子は寸劇で披露して見せた。90歳とは思えない演技に加えて多良間フツも全開。教えあり、笑いありの発表で評価を得た。
優秀賞の前川さんは40年ぶりに宮古島に戻り、方言を学び直したことをおもしろおかしく表現した。方言を習ったセリック・ケナンさんに触れ、「なんで宮古の方言をフランス人から習うのか? ひんなむぬ(おかしなこと)」と頭をひねって観客を笑わせた。
母親とのやりとりも方言で紹介した。覚えたての方言で語り掛けた時の出来事を語り、「方言で話すことで母と心が通じた」としみじみ語り、故郷の言葉の大切さを発表に込めた。
同じく優秀賞の下地さんは、民謡で方言を語り継いでいく気持ちを語った。コミカルな演技を交えながら民謡を歌い上げる発表スタイルで観客の視線をくぎ付けにした。下地さんは「歌の歌詞は宮古フツ。この大切な言葉を忘れずにつないでいく。習ったものを次の世代に伝えていかなければならない」と締めた。
結果は次の通り。
最高賞(市長賞)=来間トミ▽優秀賞(教育長賞)=前川良子▽同(文化協会長賞)=下地秀樹▽審査員特別賞=新里英斗▽宮古毎日新聞社賞=ヒコちゃん、みっちゃん(上里勝彦、與那覇光秀)▽宮古テレビ賞=與那覇淳▽エフエムみやこ賞=国仲徳三▽観光協会長賞=池間健栄