沖縄公庫理事長に川上氏
海外クルーズ船の需要に期待
1日付で沖縄振興開発金融公庫の理事長に就任した川上好久氏と、前理事長の譜久山當則氏が6日、宮古毎日新聞社を訪問した。川上氏は、宮古に海外からのクルーズ船寄港が増えていることを挙げ「ダイレクトに需要がやってくる。沖縄の離島がこれだけ輝きを増した時代はなかった」と印象を話した。
川上氏は、伊良部大橋開通後、有効求人倍率が上昇したことを示して「直接的な需要が発生する所が活況を呈する。新しい離島振興のモデルになる」と期待。下地島空港の利活用も控えていることから「宮古経済の先行きは明るい」と語った。
川上氏は1954年生まれ。名護市出身。大阪大卒。77年に県庁入り。企画部長、総務部長などを歴任し、仲井真弘多県政の下、2013年4月~14年12月まで副知事を務めた。
理事長就任は県出身者としては3人目。県庁出身者では初となる。
川上氏は、県内経済が右肩上がりで推移していることについて「沖縄経済全体が新しいステージに入っているのではないかと期待している」と分析。「今のような動きを着実に取り込み成長を続けていけば、経済規模が拡大し県民所得の全国最下位は脱却できる」と強調。具体的には観光リゾート産業の伸びや情報通信関連産業での雇用拡大などを挙げた。
譜久山氏は、1972年に設立された沖縄公庫に「2期生」として入り、以来、43年間勤めた。
クルーズ船の乗客が、街を闊歩(かっぽ)している状況を目の当たりにして「新しい商売を始める絶好のチャンス。公庫としても応援していきたい」と話した。
農林漁業セーフティネット資金等(無担保無保証人)の融資状況を示し「備えあれば憂いなし。いざとなったら公庫が支援する体制や仕組みができている。安心して将来に向けて投資してほしい」と述べた。
本社の平良覚社長、伊志嶺幹夫専務が対応した。