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社会・全般
2016年7月15日(金)9:02

「おれみたいになるな!」/宮工で交通安全講話

宮城さん、飲酒運転の代償訴え


宮城さんの講話内容に聞き入る生徒たち=14日、宮古工業高校

宮城さんの講話内容に聞き入る生徒たち=14日、宮古工業高校

 「おれみたいになるな!」-。宮古工業高校(伊志嶺秀行校長)の交通安全講話が14日、同校体育館で行われた。飲酒運転によるバイク事故で重い障害を負い、現在は県の飲酒運転根絶アドバイザーとして活動している宮城恵輔さんが事故後、両手が不自由になったことで生活が一変したことなどを紹介しながら飲酒運転の恐ろしさとその大きな代償を生徒たちに訴えた。

 宮城さんは、2005年に酒に酔った状態でオートバイを運転して単独事故を起こし、右肩を断裂。右上肢全まひとなり、さらにその後遺症で左上半身まひとなって両腕が使えない不自由な生活となったことを紹介した。

 事故当時結婚していた宮城さんは、食事もお風呂もトイレもすべて誰かの介護がなければできない状態となり、妻や娘の将来を案じて離婚を決断。家族まで失った。

 「生きていても意味がない」と死をも考える苦しい日々が続く中、家族や友人の支え、医療従事者、理学療法士、作業療法士などとの出会いからつらいリハビリを乗り切った。

 現在は、自分の経験を1人でも多くの若者に聞いてもらおうと、県警本部長の委嘱を受けて「飲酒運転根絶アドバイザー」として、講演活動を展開している。

 講話で宮城さんは「当時、私も飲酒運転はダメだということは知っていた。でも、飲酒運転で捕まるのも事故を起こすのも人ごとだと思っていた。皆さんも将来、『一杯だけだから大丈夫』と思って運転する場合、そのときはすでにアルコールによって正しい判断ができなくなっていることを理解してほしい」と呼び掛けた。

 生徒たちに対しては「私が皆さんに言いたいことは頼むから自分のようになるなということ。そして、私の今の夢は沖縄から飲酒運転を根絶すること。皆さんにはそれに協力してほしいし、他人の命と自分の命を守るルールを常に考えてほしい」と訴えた。

 同校の生徒たちは、飲酒運転による事故後、壮絶な人生を歩んできた宮城さんの講話内容に真剣な表情で聞き入っていた。


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