国際審査で三ツ星/宮の華「うでぃさんの酒」
国産米泡盛が最高評価/味わい「極めて優秀」
酒造会社の宮の華(下地さおり社長)が製造している「うでぃさんの酒」がこのほど、2016年国際味覚審査機構(iTQi)のシェフとソムリエによる食品・飲料評価で優秀味覚賞の三ツ星(極めて優秀)に認定された。うでぃさんの酒は国産米を原料とする泡盛。すっきりとしたさわやかな味わいが国際審査で高い評価を得た。
審査はiTQiの本部があるベルギー国内で行われた。世界各国から出品された食品・飲料を一流レストランのシェフとソムリエが審査し、評価を下した。
審査項目は▽第一印象▽視覚▽嗅覚▽味覚▽余韻-の5項目。うでぃさんの酒は総合評価で90・7%を獲得し、全体で2割にも満たない三ツ星を受賞した。
うでぃさん(沖縄本島の方言で「喜ぶ」の意)の酒は10年前に製造を開始。原料は国産米で熊本県の「ヒノヒカリ」に惚れ込んだ下地社長の発案だった。
ただ、一般的な泡盛はタイ米で造る。粘りがある国産米で製造した経験はないため、製品化までには膨大な時間を要したという。
試行錯誤を重ねて誕生した国産米泡盛は、時間とともに評価を高めた。2011年の秋季全国酒類コンクール泡盛部門で第1位を獲得。昨年は、優れた地方産品を発掘し世界に発信するクールジャパンプロジェクト「The Wonder500」に選出された。同じ年に開催された泡盛鑑評会では沖縄国税事務所長賞を受賞している。
今回、iTQiへの出品は、うでぃさんの酒製造10年がきっかけだった。その結果として、最高評価の三ツ星認定を得た。
同社杜氏の下地洋子さんは「思いがけない素晴らしい賞で、きっと神様からのご褒美だと思う。社員みんなの力のおかげです」と喜んだ。製造担当の山原作栄さんは「国産米を使った泡盛の製造を通して多くのことを学ばせてもらった」と振り返り、「素晴らしい賞の名に恥じないよう、これからも安全で安心な泡盛を製造したい」と続けた。
国産米泡盛を発案し、製品化を指南してきた下地社長は「(三ツ星は)ありがたい評価だが、社員、チームが一つになって一歩一歩造り上げてきたプロセスが何よりもうれしいこと」と話す。「誰もあきらめることはなかった。心のつながりがくれた賞だと思う」と全社員に感謝を込めた。