「放し飼いやめて」/宮古保健所管内
犬の咬傷事故多い/苦情件数も大幅増/健康危機管理対策連絡会議
2016年度第1回宮古保健所管内健康危機管理対策連絡会議が21日、同保健所健康増進室で開かれた。「宮古島の犬事情の現状と対策について」の報告では、咬傷事故は人口10万人あたりで同所管内は全国、県に比べ圧倒的に高い数値であることが示されたほか、咬傷犬の75%が飼い犬であることも報告された。今後の対策としては、放し飼いをしないことや関係機関の連携強化を図り、犬の登録徹底、狂犬病予防接種率の向上を図ることなどを確認した。
今回の議題は▽健康危機管理について▽ツツガ虫病について▽犬咬傷-について-の3項目で、同保健所の担当がそれぞれの状況を説明した。
同所管内における犬苦情件数については「野犬取締」「放し飼い犬」「居住環境等」とも、2014年から一気に増加。15年も高い数値を示している。
苦情が増えている理由について、同所では▽「放し飼い」が日常の風景になっている可能性が高い▽ハブが生息していない(野犬の増加要因)▽ボランティアが少なく(宮古はゼロ)、動物愛護推進員の育成が進んでいない-などを上げている。
また、咬傷事故発生件数も同所管内は全国と県平均を大幅に上回っているほか、その75%を占める飼い犬の登録件数も50%を下回り、登録犬の33%が狂犬病の予防接種を行っていないことも報告された。
同保健所の担当者は「日本は数少ない狂犬病発生清浄国だが過去に台湾でも年ぶりに狂犬病が発生するなど、いつ何時発生するかもしれない」と注意を喚起した。
こうした狂犬病や咬傷被害をなくすための取り組みとしては、散歩も飼い主主導で、必ずリードでつなぎ「放し飼い」を「しない」「させない」の徹底や、適正飼養について島全体で理解することなどを確認した。
そのほかにも、犬の飼養状況を確認し、登録を徹底するほか、年1回の狂犬病予防接種もしっかり行うことが重要であることも示された。
参加者からは、適正飼養を呼び掛けるボランティア育成に向けて関係機関が連携を密にした取り組みの必要性が求められ、行政と地域、医療機関、学校などが協力体制を強化していくことを確認した。