大福牧場拒否「独自判断」/下地市長
防衛省との事前協議を否定
下地敏彦市長は22日、宮古島への陸上自衛隊配備計画で、防衛省が候補地に挙げていた大福牧場周辺を「候補地として認めない」としたことは「独自の判断で行った」と述べ「防衛省と事前の擦り合わせはしていない」と否定した。宮古島市民有志連合の質問書に対し、市秘書広報課を通して文書で回答した。
回答文で下地市長は、同牧場周辺付近には「長沼断層系」と称される活断層の存在が報告されていることや、熊本地震で活断層の揺れにより甚大な被害が発生したことなどを挙げ「断層に対するこれまでの考えを認識し直した」と明記。その上で「いつ、どの程度の規模の地震が発生するのか予想が困難であるなら、水道水源への影響は極力さけるべきだとの考えに至った」などと改めて理由を示した。
回答文を受け取った同連合世話人の下地常政氏は、市役所平良庁舎でマスコミのインタビューに応じ「(回答文の)中身を精査した上で良しとするか、もう少し聞くべきか判断する」と述べた。
同連合は、宮古島市市民の会(仲間明典代表)、宮古島市の未来を考える会(宮城隆会長)、宮古島市政経懇話会(上地弘明代表)で構成している。
質問書では、下地市長による「自衛隊配備受け入れ表明はまさに英断である」と評価。その上で、防衛省が配備候補地に挙げていた大福牧場周辺を下地市長が「認めない」としたことを疑問視し▽大福牧場以外の地域への変更について防衛省と事前の擦り合わせがあったのか▽市長は防衛局との調整もなしに一方的に配備場所を否認したのか-など5項目に答えるよう申し入れていた。
同連合は、宮古島への陸自配備は容認する立場を示しており、世話人の下地氏は「市民の不安を取り除くという条件付きの賛成だ」と述べた。