「ハコモノ」統廃合へ/宮古島市
近く公共施設白書公表
公共施設の統廃合に向けて、宮古島市が総合管理計画を策定する。前段の白書を近く公表する。概要版によると、市の建築物(いわゆるハコモノ施設)の総面積は約47・2万平方㍍。市民一人当たりに換算すると約8・6平方㍍となり、全国の市町村平均3・6平方㍍と比べて高い。更新には莫大(ばくだい)な投資を余儀なくされるため、管理計画の策定で施設の統廃合に向けた議論が加速するとみられる。
総合管理計画は国の要請を受けて策定する。施設の老朽化や利用の状況、維持管理および更新にかかる中長期的な経費や充当が可能な財源の見込みなど、現状の課題を客観的に把握・分析するためだ。
9月にも公表する白書の概要版によると、市は307の公共施設を抱える。分類すると公営住宅が最も多く77、産業系が62、学校教育系が41施設と続く。
こういった公共施設は1983年以降、右肩上がりで建設が進んだ。最初のピーク時の施設は築30年から39年が経過しており、白書では「建て替えの検討に入る施設群」と指摘した。
耐用年数に応じて施設の建て替えを想定すると、今後50年間の投資額は1777億円と試算。年間ベースで約35億5千万円もの投資が必要になる。市の普通建設事業費は過去5年間平均で96億円。新規建設事業でも使用しているため、同様の投資を続ければ、「耐用年数の到来に合わせた施設の更新は財政的に厳しいと考えられる」とした。
これを踏まえて基本的な考え方を付記した。「現存の公共建築物に関し、人口動態の推移や利用率が低下している施設、設置の目的が重複している施設は統合または廃止、複合化を検討していく」としている。
白書の概要版は、27日午後に開かれた市議会全員協議会の中で示された。