元地権者相手に損害賠償訴訟へ
伊小中校用地問題で市教委
伊良部地区小中一貫校建設用地売却問題で、市教育委員会(宮國博教育長)は28日行われた同委員会の定例会で、当初予定していた学校用地を仮契約後に売却した元の地権者を相手取った損害賠償請求訴訟を行うことを確認した。訴えには議会議決が必要なことから、下地敏彦市長に対して、訴えの提起に係る議案を9月定例会に提出するよう依頼する議案を全会一致で可決した。
同議案について、委員からは「けじめのためにもやる必要がある」との見解が示された。
請求の要旨では、伊良部小中一貫校整備用地として、土地売買仮契約を締結した地権者が市と契約した土地を、第三者に二重に売却し、仮登記したことを問題視している。
市としては、今月20日に市長名で350万円の損害賠償を請求しているが、28日段階では反応はないという。
今後も反応がない場合は督促を行い、それでも反応がない場合は議会に提起される見込みだ。
今回の訴えについて市教委では「損害賠償について、9月定例会までに入金が確認されれば訴えは取り下げる。また、それまでに何らかのアプローチがあればそれなりの判断をしたい」と述べた。
損害賠償額の350万円の内訳については、土質調査や印紙代、職員の交通費などとなっている。
当初予定していた学校用地の面積は約4万8000平方㍍。元の地権者はこのうち約7割の用地を所有していたが、これを仮契約後に本土企業に売却したことが発端となってこの地での一貫校建設計画は無くなった。
この用地問題の経緯について、これまでの当局説明によると、市が提示した売買金額の約5300万円に対し、本土企業の提示額が1億円だったことを明かし、売却の理由については「民間企業の方が高いというのが理由だと聞いている」と述べている。
新たな用地については、すでに佐良浜中学校に決定。同校をいったん解体し、新築する予定となっている。