SNSトラブル防止で講演/市PTA指導者研修会
県警本部少年課の屋良氏
2016年度宮古島市PTA指導者研修会(主催・市教育委員会、宮古地区PTA連合会)が14日、市中央公民館大ホールで開かれた。県警察本部少年課少年サポートセンター課長補佐の屋良淳氏が「SNS(ソーシャルネットワークサービス)トラブル防止の心得」をテーマに講演を行ったほか、トラブル回避について考えるパネルディスカッションも行われた。
屋良氏は、幼い子供をあやす道具として、さまざまな動画を見ることができるスマートフォン(スマホ)を使うことは否定しないものの、「子守の代わりにしては良くない」と主張する。「スマホばかり見ていると親子のまなざしが合わない。子供に愛情を与えるチャンスを機会に奪われていないか」と訴えた。
スマホでメッセージをやり取りする「ライン」は文字情報のみのため読み手が送り手と異なる解釈をし、トラブルとなるケースがあることを紹介する屋良氏。トラブルになった場合には、相手の顔が見える「現実の世界」に戻してから対応すべきと語った。
子供にスマホを持たせる場合、使用する時間や場所、使い方など親と子供で約束を決めることの重要性を指摘した上で、「親子の信頼の絆が子供を守る最強のフィルタリング」との持論を披露した。
パネルディスカッションでは屋良氏と、依存症回復支援を行っているセレニティパークジャパン沖縄の位田忠臣代表、北中学校の宮国敏弘校長、宮古総合実業高校生徒会役員の池間弘登君(2年)、平良中学校生徒会長の上地紘乃進君(3年)がパネリストを務め、「インターネット・スマートフォンのトラブルにあわないようにするためには」をテーマに意見を交わした。
上地君は親との約束でスマホの利用容量を制限し、それ以上は使わないようにしていること、池間君は自分の周りでもラインメッセージの行き違いがけんかに発展したケースがあったことを紹介。宮国校長はネットゲームの高額請求や個人的な写真がネットに拡散され引きこもりになってしまうなど、宮古の子供たちが被害にあった実例があることを報告した。
位田代表はスマホやゲーム依存を放置していると依存症の度合いが重くなっていくとして早期治療の必要性を指摘。屋良氏は、人と人が顔を見てコミュニケーションを取る大切さを子供たちに伝えていくべきとの考えを示した。
講演の前にはアトラクションとして北中学校演劇部が、ネット上のつながりより現実でのつながりの大切さを訴える劇を披露した。