「旧大福牧場」は断念/陸自配備計画
「千代田」中心に整備へ/若宮防衛副大臣が市長に説明
宮古島への陸上自衛隊配備計画について、若宮健嗣防衛副大臣が2日、市役所平良庁舎を訪れ、下地敏彦市長に旧大福牧場周辺への配備は断念することを明言するとともに、今後は千代田カントリークラブを中心に整備していく方針を示した。配備部隊については、警備部隊と地対艦誘導弾部隊、地対空誘導部隊700~800人規模で、近隣住民から騒音被害の懸念が出ていたヘリパッドについては配備しないとしている。
若宮副大臣は「市が6月に受け入れを表明してくれたことにあらためて感謝する。旧大福牧場については検討した結果、整備しないこととなった。千代田を中心に駐屯地を配備したいので、きょうはその施設配置案を説明したい」と述べた。
配置については、隊員のための隊庁舎、倉庫、車輌整備工場、福利厚生施設、グラウンド、隊員家族の宿舎等を整備する計画となっている。
若宮副大臣は「ヘリパッドや大福に予定していた地対艦誘導弾、地対空誘導弾を保管する火薬庫を整備する計画はない。この配置案に基づいて必要な手続きを進めさせてほしい」と述べた。
そのほかにも、若宮副大臣は「部隊の配置に伴い、周辺地域との調和を図るための周辺環境整備事業についても要望があれば相談したい。私たちとしても南西諸島における防衛体制の充実強化のために宮古島への部隊の配置を着実に進めていきたいと考えている。市長、市民の皆さんにはこれからも支援、と協力をお願いしたい」と話した。
これに対して下地市長は「配置案の内容を見たところヘリポートや弾薬庫などは一切無いとのことなので、そういう意味では一安心している。この提示された配置案に基づき、関係法令等に関する書類等を提出してもらえれば、その内容を精査して迅速に対処したい」と協力を約束した。
配備に向け、協力を約束した下地市長に対して若宮副大臣は「緊急事態や災害時、急病人やけが人の発生などの緊急時について我々は全国でさまざまな活動している。今回の配備は市民の命を守ることにもつながると思う。精一杯頑張らせてほしい」と話した。
千代田への陸自配備について、防衛省は2017年度予算の概算要求で351億円を求めている。