利活用向け課題抽出/スポーツ観光交流拠点施設
検討委員に各界代表/供用開始は来年4月
来年4月に供用を開始する市スポーツ観光交流拠点施設の活用案を検討する委員会が5日、発足した。下地敏彦市長が体育協会、観光、商工、文化、音楽など各界の代表を検討委員に委嘱し、効果的な活用案の提示に期待を込めた。初回は音楽イベントやスポーツ大会、大会議の誘致について多角的に検討。期待できる成果と課題を抽出した。
同施設は、全天候型の大型イベントホール。来年3月には完成し、同4月から供用を開始する予定だ。
これを踏まえて検討委員会を立ち上げた。市の幹部や関係団体役員ほか、専門家の意見を反映させるためにミュージシャンの江川ゲンタさんらを選出。沖縄観光コンベンションビューロー海外事業部長の加賀谷陽平さん、アース・エンタープライズ(福岡県)の石元卓也さん、「MICE」のプロデュースを手掛けるDMC沖縄の徳田博之さんらも委員に名を連ねた。
江川さんは、本格ミュージカルの誘致を提案。「本物のステージを見せることができる」と話し、大型ステージを活用できる芸術分野の呼び込みを促した。
これに対して加賀谷さんは「ステージと観客が親近感を持てるミュージカルは良い。都会とは違う雰囲気でやるのは意味がある」と話し、差別化して集客を図る戦略を勧めた。
アース・エンタープライズの石元さんは、「3on3フットサル大会」の誘致を提案した。幅広い年齢層が参加できるもので「各地で予選を行い、決勝大会を宮古島で開催する。あえて離島でやる」と話し、比較的スペースを取らないフットサル活用案を勧めた。
多くの可能性が期待される中で「ハード面の検証が必要」と指摘したのはDMC沖縄の徳田さん。「音楽機材などを搬入する間口の広さや天井からつるせる機材の重さはどの程度か、電源供給はどれぐらいか。こういうことをしっかりと検証していく必要がある」などと述べ、施設規模に応じた誘致の重要性を説いた。
関連して江川さんが「ピアノがない。これがあるのとないのとでは今後の活用に影響が出る」と話し、音楽イベントの誘致に備え付けのピアノは欠かせないとして再考を呼び掛けた。
文化協会の大城裕子会長は市民目線を重視し、「市民がいかに気軽に利用できるかを考えていかなければならない。市民の共有財産という認識を持ってもらうことが重要ではないか」と話し、利用料金等は十分な検証が必要と主張した。
同委員会は引き続き検討を重ね、有効な活用方法を絞り込んでいく。
市スポーツ観光交流拠点施設は空港東側に建設されている。敷地面積は4万1563平方㍍で、建築面積は6068平方㍍。アリーナの広さは3600平方㍍でゲートボールのコートは6面、フットサルコートは2面の配置が可能。約5000人を収容できる。