棒振りで島の繁栄祈願/来間ヤーマスプナカ
雨乞い座で盛大に祝宴
下地来間島の伝統行事「ヤーマスプナカ」は2日目の10日、「雨乞い座」と呼ばれる広場で、3兄弟の一族が棒振りを披露するなど、盛大に祝宴を催した。地元の人たちや郷友会のメンバーらも駆け付けて五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄を共に願った。
心配された雨も上がり、午後2時ごろには雨乞い座にそろいの衣装を着た老若男女が集合した。
3兄弟の長男スムリャーブナカ、次男ウプヤーブナカ、三男ヤーマスヤーブナカの順に勇ましい棒振りが披露されると、地元の人や観光客から大きな拍手が沸いた。
華やかな衣装に身を包んだ女性たちも、優雅な踊りを披露。来間小学校の児童5人も息の合った太鼓演舞で祭りに花を添えた。
踊りは約1時間30分続き、最後は参加者全員でクイチャーを踊って締めくくった。
300年の歴史があるといわれるヤーマスプナカ。この日は、島を離れた人たちも駆け付けて、大いににぎわった。
冒頭、あいさつした来間得良部落会長は、少子高齢化で島の人口は年々減少している状況を指摘。その上で「我々はこの島の伝統文化を引き継ぐ義務がある。心を一つにすることで、来間島は水の流れのごとく隆々発展する」と述べた。
在沖来間郷友会の洲鎌武夫会長と、八重山在来間郷友会の砂川純一さんは「ふるさとの先輩たちが島を守って発展させていることを実感した」と共に喜びのあいさつを行った。
今年4月に来間小に赴任した砂川茂和校長は「こんなに多くの人が参加するとは。出し物も多くてびっくりした」と話した。
同校は、地域とのつながりを深めるため、島の伝統行事の「ムスヌン(害虫払い)」「ヤーマスプナカ」「敬老会」には全児童が参加することになっているという。
千葉県から観光で訪れ、地元の人たちと一緒にクイチャーを踊った松井勇太さん(23)は「島全体で祭りを盛り上げているのが分かる。良い思い出ができた」と笑顔だった。
今年は喪中の家が多いため、パレードは中止にしたという。