疑問と不安の声続出/陸自配備で沖縄防衛局が説明会
説明手法に不満の声も/千代田地区住民
上野の千代田カントリークラブへの陸上自衛隊配備計画について、地域住民を対象にした説明会が20日、千代田部落公民館で開催された。沖縄防衛局の担当者が同クラブにおける施設の配置案を示した上で住民の質問に答えた。住民からは「千代田への配備はすでに決定なのか」「これ以上拡張しないと確約できるか」「中途半端な説明は逆に不安をあおる」など、疑問と不安の声が相次いだ。さらに配備賛成派の住民からも「自衛隊が来るのは賛成だが旧日本軍みたいに隠れたやり方に不安を感じている」との指摘も出された。
防衛局側の説明では、同クラブ内には隊庁舎や隊員の家族が生活する宿舎のほか、倉庫、グラウンドが配置され、住民側が不安視していたヘリパッドや弾薬庫などは配備されないことを説明した。
一方で、ミサイルシステムの「12式地対艦誘導弾」と「03式中距離地対空誘導弾」の発射装置を搭載した大型の車両が、千代田には配備されるが、弾薬については配備しないとし、弾薬の配備箇所についてもまだ決まっていないとの見解を示した。
この説明にある住民は「ある意味で鉄砲(ミサイル発射装置)を持ってくるがそれに装備する弾薬を準備しないのであれば、なぜあなたたちは千代田に来るのかということになる」と訴えた。
さらに「住民が一番不安視し、重要に思っていることが決まっていないのに、『場所だけ千代田に決まりました』というのは誰でもおかしいと思う。そんな中途半端な計画でなぜこれだけの人間を呼び出すのか。逆にうそくさく感じるし、不安が大きくなる」と防衛局の説明のあり方に疑問を呈した。
これに対して防衛局側は「弾薬庫の配備についての計画はもちろんある。しかし、具体的な場所はまだ決まっていない。決まったことからお知らせしたいという思いから今回の説明会を開催し、情報を提供したいと思った」と述べた。
ある住民からは「百歩譲って、配備されることになるとしても現在の計画以上に拡張しないという担保がほしい。覚書を交わせるのか」との質問が出された。
これに対して防衛局は「皆さんの不安や懸念を払拭(ふっしょく)する方法として、一つの案だと思うが今後、検討させてほしい」と述べた。
そのほかにも、宮古への配備規模が石垣よりも多い理由については指揮所が設けられることを説明し「誘導弾部隊の指揮機能を有するので石垣より多い。指揮機能をどちらに配備とは言えないが駐屯地の中に配置する」と説明した。