陸自配備、白紙撤回求める/野原部落説明会
住民の怒号響く/市長の事前打診に怒りの声
千代田カントリークラブへの陸上自衛隊配備計画に伴う野原地区住民に対する説明会が2日、野原公民館で行われた。市議会の9月定例会で下地敏彦市長が防衛省側と事前に協議し、その中で千代田への配備を自ら打診していたことを認めたことについて住民の不満が爆発した。「バカヤロー」などの怒号も飛び交う中、住民側からは「白紙撤回してほしい」との要求も出され、約2時間の説明会ではすべて配備反対の意見だった。
防衛省側に下地市長が事前に打診していたことについて確認を求める質問に、防衛局側は「昨年5月の防衛副大臣訪問以前に日程などについて市と意見交換はした。しかし、指摘されたような提案を受けたから千代田になったわけではなく、防衛省として最適と判断した」と述べた。
住民からは「今、住民は市長の発言を一番問題視している。調べてちゃんと答えるべきだ」に対しては「個別具体的に個々の内容をここで持ち出すのは差し控えたい」と述べた。
ミサイル部隊を千代田に配備し、さらにミサイルの発射装置は配備するが、それに込める弾は配備しないとする配備方針に対して住民からは疑問が投げ掛けられた。
防衛局側は「今後、弾薬庫を配備することは必要と考えている。弾薬庫の配備地については市とも相談しながら検討していく」と述べた。
この答弁に住民は「これから市長と相談して弾薬庫の配備地を決めるのであれば、そこにミサイル部隊も持って行けばどうか、わざわざ千代田に配備して弾薬庫のある場所までミサイルを取りに行くよりはその方が効率的」と主張した。
これに対して防衛局側は「弾薬庫の配備地について現時点では全く白紙。まずは部隊の配備を優先させたい」と述べた。
そのほか、「皆さんの資料では北朝鮮や中国のことが書いてあるが一体誰が攻めてくるのかはっきりしてほしい」との訴えに対して、防衛局側は「具体的に仮想敵国という設定はしていない」と述べた。
「配備賛成派は、中国や北朝鮮が攻めてくるから危ないと主張する。皆さんの資料でも両国については脅威としている。それなのに仮想敵国は設定していないとする。であるならば、この資料の中に北朝鮮と中国は仮想敵国ではないと書くべき」と訴えた。
防衛局側は「私たちの資料は安全保障環境が厳しさを増している情勢を理解してもらうためのもの。仮想敵国を設定してはいない」述べた。
住民側から出る意見は、議会での発言が変遷する下地市長に対する不信感や防衛局側の千代田選定の理由に対して、多くの疑問が投げ掛けられ、「こんな説明で納得できるわけがない」「白紙撤回すべきだ」との声が何度も上がった。