子どもの貧困調査へ/宮古島市
来年度検討 きめ細かな支援目的
子どもの貧困に関して、宮古島市が来年度に独自で実態調査を実施する方向で検討していることが分かった。地域に合ったきめ細かな支援対策を推進することが目的。予算や調査方法はまだ決まっていないが、基本的には児童、生徒や保護者を対象にアンケート方式で調査する予定だ。
市が実態調査を検討していることについては、4日の県議会9月定例会一般質問の中で、県側が明らかにした。
沖縄県は2010年度の母子家庭の割合が全国1位、11年度の1人当たりの県民所得が最低で、子どもの貧困問題が深刻化している。
同問題については、15年度に県が県内市町村の子どもや保護者を対象に実態調査を実施している。
宮古島市の実態調査は、県の調査を参考にして実施する方針。調査項目や対象者などは決まっていないが、子どもの貧困状況を把握し、市としての取り組みや、地域の実情および個別の生活状況に応じた支援の在り方を探る考えだ。
市児童家庭課では「まずは、就学支援を受けているかどうかが基礎になる」と話している。
ちなみに県が行った実態調査は▽子どもの基本的な暮らし▽学校での暮らし▽家庭での保護者との関わり▽精神状況-など、子どもたちが現在置かれている状況の把握に努めた。
保護者へは▽就労状況▽子育てにおける負担▽家庭の経済状況-など、多岐にわたる設問によって家庭の状況を把握し、子どもの生活実態と経済状況など、家庭の状況との関連の分析を目指した。
市における子どもの貧困対策の状況は、学校教材や修学旅行の費用などを支援する就学支援、食事や学習する環境が整っていない生活困窮状態の子どもを対象にした「デイゴ学習支援教室」、「子どもの居場所の設置」など、すでに実施、またはその準備を進めている。
市担当部署の一つ、児童家庭課の濱川勝課長は「子どもの貧困を減らすためには、市の取り組みだけでは十分でない場合もある。地域社会における協力者や応援者が必要」と述べ、市民や各種団体などのボランティア活動の波及効果に期待している。