周辺海域の安全、安心強化/宮古島海上保安部開所式
関係機関と連携強化
宮古島海上保安部開所式(主催・第11管区海上保安本部)が15日、海上保安庁の中島敏長官らが出席して行われた。関係各界から多くの来賓や参加者が出席し、宮古島海上保安署から保安部への昇格の開所式を挙行した。保安部の開所で周辺海域の安全、安心がさらに強化される。同保安部の久留利彦部長は「関係機関および地域の皆さんと連携をさらに強化し、地域のために取り組んでいく」と抱負を述べた。宮古島周辺、尖閣諸島周辺海域の不法操業外国船の取り締まり強化などを主な背景に保安署から保安部に昇格した。
第11管区海上保安本部の大根潔本部長は「11管区が管轄する海域は、中国や台湾などに接する国境海域であるとともに、エネルギーなどの重要な海上ルートの要衝になっている。わが国の領土領海は断固として守り抜くという基本方針で、冷静かつ毅然(きぜん)と対処する。そのような状況下、尖閣および宮古島、多良間島周辺海域でも、一層の態勢強化を図るため、宮古島海上保安部を発足させることができた。第11管区海上保安本部としても、的確な業務遂行の決意を新たにしている」と式辞を述べた。
海上保安庁の中島長官は「海上保安行政をめぐる環境は大きく変化している。操業海域外国漁船、公船の出現に対し、宮古島など離島遠方海域における拠点機能の確保が急がれていたが、宮古島海上保安署を保安部に昇格させた。これを機に離島遠方海域の拠点として、保安部職員一同、業務にまい進する」と述べた。
県の安慶田光男副知事が「県にとって海上の治安を維持することは、県民の安全、安心を確保するために、欠かせない課題。県内4番目の本部として開設され、海域の保安態勢が強化されることは、大変心強い」と翁長雄志県知事の祝辞を代読した。
宮古島海上保安部の久留部長は「尖閣諸島周辺のみならず、わが国の周辺海域をめぐる状況は一層厳しさを増している。外国漁船などによる不審事象などに的確に対応するため、保安署から保安部に態勢が強化された。マリンレジャーが盛んな宮古島周辺海浜の救難即応体制も強化されている。宮古島海上保安部も関係機関および地域の皆さんと連携をさらに強化し、地域のために取り組んでいく」と抱負を述べた。
式典には来賓として安慶田副知事、下地幹郎衆院議員、儀間光男参院議員、下地敏彦宮古島市長と伊良皆光夫多良間村長が出席した。
式典後、祝賀会で出席者や関係機関、団体と懇親を深めた。