子供の居場所開設へ/宮古島市
来年久松地区、2カ所目/きょうから運営企業を公募
宮古島市は食事や学習する環境が整っていない生活困窮状態の子供を対象にした学習支援教室「子供の居場所の運営事業」を来年1月から、平良久松地区でスタートさせる。今年6月に開設した「デイゴ学習支援教室」に次いで2カ所目。市は生活困窮状態の子供は5人に1人はいると見ており今後、「居場所づくり」を推進していく方針だ。
運営する企業の公募を18日~11月1日まで行う。
同事業は、さまざまな要因で食事や学習する環境が整っていない生活困窮状態の子供に、安心して食事や学ぶことのできる場所を提供することが目的。
食事の提供だけでなく、皆で一緒に食事をつくり、食べることで楽しい時間を共有する場を提供するほか、学習の方法が分からない子供や、将来の目標を持てない子供たちに自立や学習意欲の向上を図ることも狙いにしている。
また、学習態度の改善を図るための支援に努めることや、生活指導、キャリア形成支援活動なども実施し早期に困窮状態から抜け出すことを支援する。
対象者は、要保護、準要保護世帯の小、中、高校生で、受け入れ人数は1日15人程度。
すでに開設されている「デイゴ学習支援教室」(平良)は、NPO法人「エンカレッジ」が業務を委託。小学生24人、中学生30人、高校生6人の計60人が通学している。
同教室には管理者1人、指導員2人、学習支援員1人が配置され、塾形式での学習や軽食の提供、送迎などの支援を実施している。
来年1月に開設予定の「支援教室」も同様な規模、同様な居場所の提供を行う。
事業は内閣府の子供の貧困緊急対策で、委託期間は来年1月6日~3月31日まで。予算額(委託料)は278万円。
委託先は公募型プロポーザル方式により選定する。プレゼンテーションは11月15日に市役所平良庁舎で行う。問い合わせは市福祉部児童家庭課(電話0980・73・1966)。
市児童家庭課によると、2015年度実績で、児童・生徒数に占める要保護対象者の割合は小学生0・9%、中学生1・3%、準要保護対象者は小学生18・6%、中学生18・3%。
同課は、就学援助をする児童生徒は数字より高い値とみており、今後も「学習支援教室」の開設をさらに目指すほか、課題として「民間も含めた地域社会における協力」を挙げている。