作業受託体制の構築を/シンポジウム
永続的なキビ作向け協議
サトウキビの生産振興を考える県主催のシンポジウムが28日、JAおきなわ宮古地区本部で開かれた。植え付けから収穫までの作業を受託する体制の構築に向けて意見を交わし、永続的なキビ作の振興を考えた。
シンポジウムは、県宮古農林水産振興センターと地区さとうきび糖業振興会が開いた。各地区のキビ生産組合など複数の団体から多くの関係者が参加した。
主催者あいさつで県宮古農林水産振興センターの植田修所長は、高齢化の進行等に伴い、肥培管理およびハーベスター収穫後の株出し管理の一部に不徹底が見られると指摘。「植え付けから収穫まで受託する作業体制を作る必要がある。活発な討議を期待する」と参加者に呼び掛けた。
続いて県農業研究センター宮古島支所の宮城克浩支所長が基調講演を行い、株出し栽培における生産向上および夏植え型秋収穫株出し栽培を説明した。
株出しの要点については▽新植の際の欠株回避▽機械収穫による高刈りの際の株ぞろえで株上がりを防止▽前作収穫後は可能な限り早めの株出し管理▽萌芽し分げつして茎が出そろう栽培初期の除草徹底▽梅雨明け後の積極かん水▽黒穂病対策-などを挙げた。
講演後はハーベスター運営協議会やきび管理組合の役員がパネリストを務めて現状と課題を報告、参加者と認識を共有した。
県宮古農林水産振興センターの下地善郎さんは、キビ作の作業受託体制の構築について話を進めた。
構築に向けての課題としては、新たな受託組織の有無や委託量の調査、機械等の整備に関する自治体の方針、オペレーターの育成と確保などを挙げた。
参加者は、それぞれの発表を踏まえ、植え付けから収穫までカバーする作業受託体制の必要性を考え、永続的なキビ作の生産振興に向けて意見を交わした。