診療費未収2億6600万円/宮古病院
前年比減も高水準/経営圧迫、サービス低下懸念
県立古病院は31日、同院で診療を受けたものの、支払いを未だ受けていない未収金(個人医療費分)は2016年9月末現在(累計)で総額2億6600万円、人数にして2604人に上ると発表した。前年に比べ0・2%減少したが、依然として高い水準で推移している。生活困窮のため医療費が払えない人や、健康保険料未納に伴う自己負担分の増加などが要因と見ている。会見で上原哲夫院長は「未収金が多くなると病院の経営が圧迫された状態になる。医療器具が購入できなくなり、医療サービスの質の低下につながる可能性がある」と指摘した。11月は県立病院の未収金対策強化月間。
医療費を払えない理由として「経済的」を挙げる人が多く、「分割納入」や、納入を約束しても守らない「納入約束不履行」が全体の6割以上を占めている。
交通事故の自賠責委任や、生活保護などの社会福祉制度を申請中の人もいる。
「その他」は、亡くなった人や住居不明な人などで、全体の約3割を占め請求が難しい状況だ。
上原院長は「原則として診療費による収入によって病院を経営している」と強調。「宮古病院は県立病院だから、赤字が出ても県から補てんされる」などといった誤解が未収金を発生させる要因の一つになっていることも挙げた。
同院は未収金の縮減に向け文書や電話、訪問督促などを実施。支払う能力があるのに支払わないなど、特に悪質と思われる滞納者に対しては財産差し押さえなどの法的措置を実施する。
過去には、実際に法的措置を実施したこともあり、また、数人については法的措置を準備中という。
同院では、診療費の支払いが難しい場合には気軽に相談するよう呼び掛けている。
連絡先は宮古病院未収金対策係(電話72・3151)まで。