TPP対策に万全を
県農業代表者大会で採択
【那覇支社】2016年度産サトウキビ価格・政策の確立に向けた「県農業代表者大会」(主催・県さとうきび対策本部、県農業協同組合中央会)が1日、南風原町立中央公民館で開かれ、TPP(環太平洋経済連携協定)の影響を最小限に食い止める万全な国内対策を政府・与党に強く求める大会宣言を採択した。
主催者あいさつで、同対策本部長の砂川博紀JA沖縄中央会長は「糖価調整制度の維持で最小限度の影響にとどまる見通しだが、牛肉・豚肉などの畜産分野への影響が懸念されており、そのあおりを受けて農業全体への影響が生じないか不安。再生産を確実にする関連法制度の整備や必要な予算措置の確保に取り組みたい」と述べた。
JAおきなわの大城勉理事長は「TPPでは国内農業への影響が懸念される中、農業者の不安を払拭(ふっしょく)し、TPP協定発効後の経営安定に向けて、万全な国内対策が必要」と訴えた。
大会では、▽TPPに対応した国内関連対策の確立▽糖価調整制度の堅持と財源確保▽甘味資源作物交付金水準の確保▽増産基金の継続、増産対策予算の確保▽生産振興総合対策の拡充▽分蜜糖・含蜜糖工場の経営安定対策-など、7項目からなる要請決議を満場一致で採択した。
来賓の翁長雄志知事(代読・島尻勝広農林水産部長)は「TPPには引き続き動向に注視し、国に対しては将来にわたって生産者が安心して生産に取り組めるよう、再生産が可能な手取り額の確保や糖価調整制度の堅持など、JAや関係機関と一体となって強く要請していく」と強調した。
大会には県内各地の生産農家や農業機関の関係者ら約500人が集結。宮古6地区の生産組合やJA各支店の代表者25人も参加した。
JA宮古地区本部の下地保造本部長は「宮古の今年のキビ生産量は県全体の約5割近くになる。島を支える重要な基幹産業を維持拡大して発展させる意気込みを、この大会を通して再認識した。生産農家と連携しながら増産に取り組みたい」と話した。