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社会・全般
2016年11月3日(木)9:06

ハンセン病に正しい理解を/宮古南静園

歴史資料館プレオープン/年表や写真、証言集など展示


ハンセン病患者に関する証言などの記録も紹介されている=2日、宮古南静園人権啓発交流センター「ハンセン病歴史資料館」

ハンセン病患者に関する証言などの記録も紹介されている=2日、宮古南静園人権啓発交流センター「ハンセン病歴史資料館」

 ハンセン病への正しい理解と人権を伝える宮古南静園人権啓発交流センター「ハンセン病歴史資料館」が2日、同園でプレオープンした。常設展示室には1873(明治6)年にノルウェーのハンセン医師らが「らい菌」を発見した歴史から始まる年表、隔離かやぶき小屋の写真、監禁室の再現、最初期のかやぶき住居(模型)再現、居住者の部屋、過酷な戦争体験の証言、入所者の手作り作品などが展示されている。同園の新城日出郎園長、入所者自治会の豊見山一雄さん、下地敏彦市長らは、人権問題や平和の大切さを考える場、発信の拠点になるよう願った。

 同館は、同園の将来構想の一つとして整備された。1996年に「らい予防法」が廃止され、さらに2008年には「ハンセン病問題の促進に関する法律」(通称ハンセン病問題基本法)が施行された。しかしながら、いまだハンセン病への差別・偏見は解消されていない。

 2016年9月30日現在の入所者は67人で、平均年齢85・7歳。入所者には「入所者が社会で暮らすのと遜色のない終生在園保障」と「ハンセン病に対する偏見や差別の解消への取り組み」などが課題となっているという。

 式典で、新城園長は「宮古南静園人権啓発交流センターをつくったのは私たち宮古南静園ではなく、市民の皆さまである。市民による市民のための交流センターということができる」と強調した上で「これがこの交流センターの特徴でもあり、一番大切な部分であると思っている」と述べた。

 豊見山さんは「資料館にご来館され、入園者が歩んだ歴史を体感していただきたい。ここ西真座(謝)の地に、ハンセン病患者がいたことを忘れないでほしい」と切望した。

 下地市長は「資料館の見学を通して人権の大切さや平和の尊さを考えてほしい」とあいさつした。

 同資料館は、開館日が平日・土・日・祝祭日で午前10時~午後4時まで。休館日が毎月第4金曜日(館内整理日のため)と年末年始(12月28日~1月3日)。入場料は無料。

 問い合わせは(電話0980・72・5321、内線220・320、ファクス0980・72・5859)へ。


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