蟹蔵、世界大会で優秀賞
吉浜さん「島の自然のおかげ」
伊良部でマングローブカニを養殖している蟹蔵(かにぞう)代表の吉浜崇浩さんが「にっぽんの宝物・世界大会」(10月28日、シンガポールで開催)で優秀賞に輝いた。中華系シェフとのコラボで、養殖カニを3種のアジア系風味にした料理が高く評価された。味もしかりだが、環境保全を訴えながら特産品を開発し、その恩恵を自然にかえすという吉浜さんの取り組みは「ストーリー性に優れている」と審査員をうならせたという。吉浜さんは「伊良部島、宮古島の素晴らしい自然、島の人たちの温かさがあってこそ入賞できた。これからも島の良さを伝えていきたい」と喜びを話した。
宮古島商工会議所は昨年、「島の宝」となる商品やサービスの創出、発見を目的とするコンテスト「宮古島コラボグランプリ」を開催。吉浜さんは、そのグランプリに輝き、大阪で開かれた「第1回にっぽんの宝物・JAPANグランプリ2016」でも準グランプリを獲得した。
「世界大会」優秀賞の報告会は2日、平良港ターミナルビルで行われた「みゃーくぬ宝発掘発信プロジェクト」セミナーの中であり、にっぽんの宝物総合プロデューサー羽根拓也さんから吉浜さんに賞状が授与された。
大会の様子は大型スクリーンを使って行われ、羽根さんは「シェフに聞いたら『吉浜さんのカニは甘くて、今まで味わったことがない』と絶賛していた」、吉浜さんの代理として大会に出席した「チーム蟹蔵」の前里修彦さんは「『こんなカニが育つ伊良部島の自然をぜひ見てみたい』との意見もあった」とそれぞれ現地の反響を紹介した。
吉浜さんのカニは単体としては非常に完成度が高かったが、「コラボで新しい物が生まれる」という審査基準だったため、最優秀賞には届かなかったという。
羽根さんは「レシピが素晴らしいので宮古で売り出したい。外国から訪れるクルーズ船の乗客には絶対喜ばれる。宮古に逆輸入してくれれば楽しい」と話した。
「商品開発の背景には伊良部の自然があったからこそ」と羽根さん。「重要なものは物語。そのストーリーが商品になり、それが素晴らしければ応援したくなり、食べたくなる」と語り、セミナー出席者に「ぜひ皆さんも島の良さが伝えられるような商品開発を目指してほしい」と呼び掛けた。