市議会 百条委設置案を可決/公明含め15人が賛成
与党会派8人反対/賛成派、徹底追及の構え
市議会(棚原芳樹議長)の臨時会が4日に行われ、多くの疑惑が浮上している「観光プロモーション事業に関する調査特別委員会(百条委員会)の設置について」の議案を審議し、挙手による採決の結果、賛成多数で可決した。議長を除く24人の議員のうち、同議案を連名で提出した13人と公明会派2人が賛成。与党会派の8人は全員反対となった。また、垣花健志氏は「副議長という立場は中立ということで賛否には加われない」として退席した。
百条委設置に賛成したのは、議案提出者の國仲昌二氏のほか、賛成者議員に名を連ねた新里聡氏、前里光恵氏、池間豊氏、下地智氏、山里雅彦氏、西里芳明氏、仲間則人氏、濱元雅浩氏、真栄城徳彦氏、新城元吉氏、仲間賴信氏、上里樹氏のほか、公明会派の富永元順氏、高吉幸光氏が加わり賛成は15人となった。
一方、設置反対は与党会派の粟国恒広氏、平良隆氏、平良敏夫氏、下地勇徳氏、佐久本洋介氏、嵩原弘氏、上地廣敏氏、下地明氏の8人となった。
提案理由で、國仲氏は「同事業については事業当初の見積依頼から入札辞退、契約内容、実績報告、事業の支払い方法など多くの疑義が噴出しているにもかかわらず市長は『確認する必要ない』とコメントするなど、市民の間に不信感が広がっている」とし、百条委員会の設置を求めた。
昨年の不法投棄ごみ残存問題の際に設置された調査特別委員会に比べ、百条委員会は、調査対象者となっている関係者の出頭や証拠提出を求める「調査権」が最大の違いで百条委にのみ「調査権」が認められている。
百条委には理由なく証言を拒めば、禁固や罰金が科せられる罰則規定もあるほか、証言を二転三転させたりした場合は「偽証」に問われる可能性もある。
百条委員会 地方議会が地方公共団体事務の調査権を行使するため設ける委員会で、地方自治法百条に規定があることからこの名前がついている。
議会はこの委員会において証人の出頭を命じることができ、これに正当な理由なく拒否した場合は刑事罰が科せられる。また、虚偽の証言をした場合も同様に刑事罰が科せられる。ただし、基本的には議会が告発をしたときに限定される。
地方議会に、国会同様の行政調査権を持たせたもの。