荷川取さんが優秀賞4席/県畜産共進会
宮古から1頭だけ入賞
【那覇支社】県内各地区から選抜された和牛の品質を競う第42回県畜産共進会(主催・同協議会)の種畜部門(肉用牛・乳用牛)が4日、糸満市の南部家畜市場で開幕し、宮古地区代表の肉用牛7頭のうち、荷川取広明さん(48)=下地川満=が所有する若雌第2類の「つばさ」号が唯一、優秀賞4席に選ばれた。
荷川取さんは畜産経営で14年目となり、現在飼育数は繁殖母牛50頭。「うれしい。上位入賞を目指して頑張ってきたので、ほっとしている。さらに品質改良に取り組みながら、来年は優秀賞1席を勝ち取りたい」と喜びを語った。
宮古和牛改良組合の砂川栄市組合長は「宮古から1頭だけの入賞と、寂しい残念な結果になってしまった。今大会を通していくつかの課題も見つかったので、ひとつひとつ課題を解決しながら、来年は団体優勝も目指したい」と話した。
今回の共進会には、県内13市町村から肉用牛(黒毛和種)頭、乳用牛(ホルスタイン種)28頭が出品された。屋外の特設会場で若雌牛と成雌牛に分け、審査員が出品牛に直接触れながら、体高や体積、栄養度、体上線(背線)などを厳しくチェックしていた。
5日の同会場での褒賞授与式では、肉用牛・乳用牛各部門の優秀賞1席のほか、農林水産大臣賞や県知事賞、中央畜産会長賞など17の特別賞、団体優勝の市町村が表彰される。
開会式で、同協議会長の島田勉県畜産振興公社理事長は「昨今の畜産業は、配合飼料価格の高止まりや生産コストの上昇、TPP交渉の大筋合意など依然として厳しい状況にある。さらなる飼育管理技術の向上や家畜の改良促進、ブランド化に取り込もう」と呼び掛けた。
翁長雄志知事(代読・長嶺豊農林水産部農業振興統括官)は「生産農家の皆さんには今後とも、家畜改良技術の向上に向けて自己研さんに精励され、県の畜産振興に尽力いただきたい」と述べた。