候補者に下地晃氏/市長選
革新勢力が決定/「保守層」の取り込み狙う
来年1月22日投開票の宮古島市長選挙で、「オール沖縄」を掲げる革新勢力は7日までに、医師の下地晃氏(62)を候補者として擁立することを決めた。下地氏は現市政を批判し「何とかしなければならない」としたが、自身の出馬については「今はその段階ではない」と明言を避けた。
選考委員会が7日、会見を開き、下地氏を候補者として決定したことを報告した。自薦、他薦があった3人の中から選んだ。
選考理由として下地学委員長は「一党一派に属しない下地氏なら、保守中道のほか、多くの市民の支持が得られる」と強調。下地氏の政治理念、基本姿勢にも触れ、「オール沖縄」の理念とも合致する候補者であることを主張した。
下地氏は、城辺比嘉の出身。城辺中央クリニック院長で、現在は宮古地区医師会会長を務める。現市議の下地智氏の兄に当たる。
擁立決定を受けて下地氏は「重く受け止めたい。感謝している」と述べた。その上で現市政に対する批判を展開した。市長が台風接近に伴う特別警報発令中に飲酒していたことや、不法投棄ごみ問題、観光プロモーション問題を挙げ、「異常事態というほかない。多くの市民に疑念や疑惑を抱かせている」と話した。
ただ、出馬については態度を明確にせず、「今の市長がゴール(3選)に走り続けるのなら、前向きに考えなければならない」とする考えを示した。「今はその段階ではない。私に立候補の機会があればじっくり考えたい」と述べた。
一方で、「今の市政を何とかしなければならないと熱い思いを持つ方々とひざを交えて話し、大同団結して大きな波を作りたい」とする持論を展開した。
その手段として、前県議で市民団体から出馬要請を受けている奥平一夫氏や保守系から出馬の意向を示している真栄城徳彦氏、市議会の新保守クラブ、新風会のメンバーと「意見を交わしたい」と希望。市政の刷新を図れるのであれば、必ずしも自身の市長選出馬にはこだわらないとした。
政治的スタンスは「民意を尊重した中立で中道的なスタンスだ。政党の枠を超えることが大切なこと」と表明した。選考委が掲げた6項目の選考基準や「オール沖縄」との連携についても言及し、「完璧にスタンスを置くわけではない」と語り、是々非々を信条とする政治姿勢を強調した。