農林水産業振興へ一丸/推進会議
研究員らが成果報告/情報を共有、連携強化
2016年度宮古地域農林水産業振興発表大会が10日午後、県宮古合同庁舎で開かれた。生産者や研究員ら7人が農林水産業にかかる実践報告や研究成果を発表し、詰め掛けた多くの関係者と情報を共有しながら連携の強化を図った。
発表会は、宮古地域農林水産業推進会議が主催。多様化する消費者ニーズや産地間競争および新たな施策に対応するため、関係機関との連携を強化して宮古地域の農林水産業の振興に資することが狙い。
地区就農青年クラブ連絡協議会や県宮古農林水産振興センターの職員、県農業研究センター宮古島支所の研究員らが発表した。
就農青年クラブ連絡協議会の会長を務めている重田康行さんは「宮古島での就農定着を目指して」と題する発表を行い、県外から移住して就農するまでの苦悩や喜びを報告した。
新規参入者が就農定着するためには、「地域や組織活動へ積極的に参加し、人脈を広げることが重要な要因になる」と提言。今後は自身も就農希望者や青年農業者をサポートしていくと決意を込めた。
農業研究センターの比嘉基昌さんは、わい性サヤインゲンの節間伸長処理栽培技術について発表した。
サヤインゲンは沖縄を代表する出荷品目だが、「生産量は平成2年をピークに減少している」と指摘。要因として作業の繁雑さや生産者の高齢化を挙げた。
その上で複数の研究結果を報告した。植物成長調整剤「ジベレリン」を使用することで節間が約150㌢前後に伸長すると主張。これにより立ったままの作業が可能になるほか、伸長に伴い枝の本数が増え、反収も増加するとし、「市場から出荷要望がある。今後伸ばすべき品目」と勧めた。
同じく農業研究センターの伊礼彩夏さんは、宮古島におけるパイナップル栽培に関して報告。複数の試験結果から、県内主要産地の名護や石垣と比較して遜色がないことを示した。
会場に集まった生産者らは発表内容に耳を傾け、各分野の知識を深めた。