一流は「自分に厳しい」/沖銀創立60周年
石川アナが記念講演/リーダーシップ論語る
沖縄銀行創立60周年記念講演が15日午後、市内ホテルで開かれた。フリーアナウンサーの石川顕(あきら)さんがリーダーシップをテーマに講演し、「一流中の一流は自分に厳しい。常に目標を立てて取り組んでいる」と話し、強いリーダーには必須条件であると強調した。
記念講演は「おきぎんカトレアクラブ」11月離島講演会を兼ねた。多数の企
業経営者らが参加した。
講師の石川さんは1964年、TBSに入社。日米のプロ野球やバレーボールなど幅広い分野の実況を務め、多くの著名人にインタビューを行ってきた。特にプロ野球に関しては深い造詣と識見を持つ。
2001年に同社を退社し、07年から本格的な講演活動を行っている。
石川さんは「一流の人々から学んだもの~真のリーダーシップとは~」という演題で話を進めた。この中で、最も影響を受けたプロ野球選手として長嶋茂雄さんと王貞治さんを挙げた。
長嶋さんからは「心技体のバランスが整ったらプロ中のプロになれる」と助言を受けたという。「体力を高めた後に技を磨く。最後に心を整える。私の人生の柱になった」と語った。
王さんからは、①プロは強い体であれ②プロは遅刻をするな③プロはミスをするな-と教わった。
その上で実際に王さんから聞いた話を紹介した。小さな子どもが念願のプロ野球観戦に訪れたが、大好きな選手が見当たらない。その選手がけがで試合に出ていなかったためだ。
王さんは「その子は大泣きをしていた。私たちプロはファンの夢を壊しちゃいけない」と静かに語ったという。石川さんは「この王さんの言葉を受けて、私はただの一度も仕事を休んだことがない」と話した。
遅刻は、他人の時間を奪うのに等しい行為であることにも言及。どのような相手でも遅刻は論外だと言われたという。ミスについては「ミスをするなというのではなくて、ミスをした後の心構えを教えられた。絶対に人のせいにしない。常に自分に厳しく、自分を許さない。どうすればこのミスを防げるのかを真剣に考えること。そうやって高みを目指すのがプロだと言われた。謙虚でいることを教えられた」と話した。
その上で石川さんは、仕事でも人生でも目指すべき自分の姿を描き、そのイメージに向かって努力を重ねるよう助言。「高過ぎない目標を設定する。努力をすれば達成できる目標を設定して取り組むことが大切なこと」と述べた。日ごろの姿勢や食事にも注意するよう促し、「良いリーダーは姿勢が良い。ゆっくりかんで食べる食事は健康を支える原動力だ」と話した。