伊良部村の貴重な資料展示/県公文書館移動展が開幕
珍しい写真に住民感動/伊良部
2016年度沖縄県公文書館移動展「公文書館所蔵資料にみる伊良部」(主催・沖縄県文化振興会、共催・宮古島市教育委員会)が25日、市伊良部公民館で27日までの日程で開幕した。1960年代に撮影されたモノクロ写真を中心に伊良部村の公文書など合計70点を展示。当時の譜久村善村長の孫に当たる平良たよりさん(50)は「おじいが写っている写真を見つけてびっくりし感動した」と興奮冷めやらぬ表情で語った。伊良部では、初めての同移動展。
会場には「空から見た伊良部」「戦前の伊良部」「アメリカ人の撮った伊良部」「土地の記録一筆調査図」などのコーナーが設けられ、貴重な資料がずらり。展示資料はいずれも複製物。
1965年10月7日に米軍が空撮した、佐良浜集落は当時の民間住宅の位置や形成を知る上で貴重な資料の一つ。現在の集落風景と比べると、時代とともに発展した風景が推察される。
1965年10月7日、ワトソン高等弁務官らが米軍機で伊良部に来島し、琉球政府の太田政作主席が同行していた。写真の一枚には、譜久村村長と生徒らが校庭で出迎えし、譜久村村長がメッセージを読み上げている。
伊良部南区の国仲集落の通りが撮影され、車で椅子を運搬。太田政作主席との会合のために使われる椅子と想像されている。
米軍が撮した写真には、佐良浜中学校ブラスバンドが歓迎で演奏。前列左から2人目は、現在佐良浜在住の池原(旧姓漢那)和子さんと思われる。
訪れた住民らは「伊良部の歴史の一面が分かり、とても感動した」と感想を話していた。
同公民館の仲間勝行館長は「とても貴重な資料なので、多くの住民が気軽に訪れてほしい」と呼び掛けている。